第二話
彼女と探偵をすることになった次の日。
私達はカフェへと集まった。
「暑いね」
「うん」
真夏だというのに冷房がついていなかった。
私は汗を拭うと、早速切り出した。
「探偵....どうする?」
緊張と暑さで頭がおかしくなったのであろう。意味不明な質問をしてしまう。
彼女はクスッと笑うと、メニューを開く。
「先に注文しようよ。暑いし、疲れちゃうよ?」
◇
数分後、私達の目の前に広がったのは山のような量のスイーツやジュースetc...
全て彼女が頼んだものである。
おかしい。絶対に何かがおかしい。
「これ...全部食べるの?」
半ば怯えながら聞く。
「それはもちろん」
そう言って彼女は食べ始めた。
その仕草一つ一つが洗練されていて、とても美しい。
この様子が映画の1シーンだと言われても、私は信じるであろう。
「それでは第一回、最上探偵事務所の会議を開始する!」
彼女が突然言った。
最上は私の名前である。
「木下探偵事務所にしようよ。」
思わずそういった。私は自分の名前が、探偵事務所の名前になることに妙な気恥ずかしさを覚えた。
「えぇ〜。最上さんが始めたんだし、最上でいいよ。そうしよ?」
私は頭を抑えると上を向き、それから下を向き...そしてまた上を向いた。
「何変な動きしてるの。」
呆れ顔を浮かべる彼女。
私は諦めるしか無いことを悟った。
◇
「ねぇ、最上さん。」
カフェからの帰り道はもう夕方になっていた。
「私達――名前で呼び合わない?」
「*!?!?"+>PLEokp!e2!=2E0!"KEO!"{~}*!*"}E`{!~」
驚きのあまり日本語を一瞬忘れてしまった。
「...最上さんて、面白いね。」
心外である。私の奇行は彼女が原因だからだ。
「ありがとう...?あと名前で読んでもいいよ」
私は釈然としない気持ちで頷いた。
彼女はにっこりと笑い、そのまま歩き出した。
その日、彼女と別れてから私は家へと戻った。
◆
「ただいま〜」
うちの家は4人ぐらし。
弟と兄、そして父と母である。
弟は7才。ついこの間小学生になった。
そして兄は社会人...であるが何の仕事をしているかは親も知らない。
「ねーちゃん、助けて!」
玄関に弟が突っ込んできた。
「幽霊が、幽霊が出た!」
太陽と幽霊 猫蕗 @cat_
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