第1章　ののりの誕生日がやってくる！

1月30日の夜。

「ねぇママ、明日って何の日か知ってる？」

小学2年生の ののり は、じっとママ（みみか）を見つめた。

「え？ えーっと……うーん……」

みみかは ゴロゴロしながら考えるフリ。

「ママ、 ‘考えてる’ じゃなくて ‘思い出してるフリ’ でしょ！」

「バレた！？ ちょっと待って、カレンダーを見るから……」

「もういいよ！ 明日は ののりの ‘誕生日’ ！！ 」

「えぇぇぇ！？ もうそんな時期！？ ついこの間 ‘お正月’ だったのに！！」

「どんだけ時間の流れ ‘ゆっくり’ なの！？」

ののりは呆れながらも、期待の目でママを見つめる。

「ねぇ、今年の ‘誕生日会’ どうするの？」

「ん～…… ‘やる気’ 出たら考える！」

「やる気 ‘待ち’ なの！？ こっち ‘誕生日’ なんだけど！！」

ここで 5歳のさほ登場！

「ねぇねぇ、お姉ちゃんの ‘誕生日’ だから、さほも ‘ごちそう’ 食べたい！」

「うん！ 今年は ‘ののりの大好きなペペロンチーノ’ 作ってほしい！」

「ペペロンチーノ！？ ママ、作れるの！？」

「……あれ？ どうやって作るんだっけ？」

「覚えてないのかぁぁぁ！！」

ののりは、頭を抱えた。

「もうママには頼れない！ さほ、 ‘ののりたちで誕生日会の準備’ しよう！」

「オッケー！ ‘お姉ちゃんのまねごと’ 得意だから、さほ ‘司会’ する！」

こうして、 しっかり姉妹の誕生日会準備作戦 が始まった。

第2章　誕生日会の準備、大作戦！

翌日――。

「まず、ケーキを買いに行こう！」

「でもさぁ……ママ、 ‘動かない’ よ？」

「そうだ…… ‘ママを動かす作戦’ しなきゃ！」

ののりは ひそひそ話モード になり、さほと作戦を立てる。

「ママって ‘コーラ’ 好きでしょ？」

「うん！ ‘コーラ’ って言えば ‘動く’ かも！」

「じゃあ、せーの！」

「ママ！ ‘誕生日ケーキ’ 買いに行ったら ‘コーラ’ も買えるよ！」

「えっ！？ ほんと！？」

ママは 勢いよく立ち上がった！

「さあ！ 早く行こう！！」

「やっぱり ‘コーラ’ かぁぁぁ！！」

こうして、ののり・さほ・ママの ケーキ＆コーラお買い物大作戦 が始まった。

第3章　ケーキ選びも大事件！

ケーキ屋さんに到着。

「わぁぁぁ！ どれも美味しそう！」

「どのケーキがいい？」

「うーん……チョコもいいし、いちごもいいし……。」

「ペペロンチーノケーキはないの？」

「そんなの ‘あるわけない’ でしょ！！」

ののりが悩んでいると、さほが ピン！ とひらめいた。

「 ‘ホールケーキ’ 買ったら、ろうそく ‘いっぱい’ 立てられるよ！」

「いいね！ ‘8本’ 立てよう！」

「それなら ‘コーラも8本’ 買おう！」

「なんで ‘コーラ’ も8本なの！？ ‘関係ない’ でしょ！！」

「お祝いだから ‘いっぱい’ 飲みたいじゃん♪」

「ダメぇぇぇ！！」

結局、ケーキを買い、コーラは 1本だけ に決まった。

第4章　ペペロンチーノは誰が作る！？

誕生日会当日――。

「じゃあ、ののりの大好きな ‘ペペロンチーノ’ を作ろう！」

「えっ！？ ママ作れるの！？」

「うーん…… ‘作る気持ち’ はある！」

「 ‘作れる’ じゃなくて ‘作る気持ち’ ！？ それ ‘意味ない’ じゃん！！」

「ねぇねぇ、 ‘お姉ちゃんのまねごと’ して、さほが作ろうか？」

「えっ！？ さほ ‘ペペロンチーノ’ 作れるの！？」

「うん！ ……たぶん？」

「 ‘たぶん’ じゃダメ！！！」

結局、ののりが作ることになった。

「ののり、すごい！ お姉ちゃん ‘料理上手’ だね！」

「まぁね！」

「……じゃあ、ママは ‘味見担当’ でいい？」

「ダメ！！ ちゃんと ‘手伝って’ ！！」

こうして、 しっかり姉妹 vs ぐーたらママの料理戦争 が勃発した。

第5章　誕生日会、開幕！！

ついに、誕生日会が始まる！

「ののり、お誕生日おめでとう！！」

「ありがとう！！」

さほが 司会 になり、イベントが進んでいく。

「さぁ！ ‘ペペロンチーノ’ を食べましょう！！」

「いただきまーす！！」

ののりの 手作りペペロンチーノ は、とっても美味しかった！

「おぉ～！ これ、お店で出せるレベル！」

「ねぇねぇ、さほの ‘おにぎり’ も食べていい？」

「えっ！？ ‘ペペロンチーノ’ の誕生日会なのに ‘おにぎり’ も食べるの！？」

「 ‘お祝いごと’ だから ‘好きなもの’ 食べるの♪」

こうして、ペペロンチーノとおにぎりという 不思議な組み合わせの誕生日会 になった。

最後に、ケーキを囲んでみんなで ろうそくを吹き消す。

「ふぅぅぅ！！」

「ねぇ、お姉ちゃん、お願い事した？」

「うん！」

「なに？」

「 ‘来年も、楽しい誕生日になりますように！’ 」

「それなら ‘ぐーたらママがちゃんと動く’ ようにもお願いしとけばよかったね！」

「それ ‘無理なお願い’ じゃん！！」

みんなで 大笑い！

こうして、 しっかり姉妹とぐーたらママのドタバタ誕生日会 は 無事に終了 したのだった。

（おわり）