不正な賭け

 「いくら賭けます?」

 「20万」

 「その自信、いつまで続きはりますか見物ですわ」

 ジョーカー、いきなり全額入れて大丈夫なのか。

 負債が20億を超えた時点で強制終了ということは……負債を抱える可能性があるということ。僕の残りは89万円。どうかそれまでに終わってくれよ、ョーカー。

「それでは始め!」

 司会の人が合図をする。

「ジョーカーはんから振るんや」

 ジョーカーは何か秘策があるのでは無いかという希望を抱いている自分がいる。

「四、五、六。四五六!」

「ジョーカーはん運良いですな」

「1ラウンド勝者ジョーカー、40万獲得!」

 順調だ。この調子で行けば圧倒的にプラスだ。

 「アハッ、最高にまずいね」

「え?」

 ジョーカーから到底言わなそうな言葉出てきた。

「三、六、二。目無し!」

 そして女将が振る。

「四、四、四!ぞろ目!」

「2ラウンド勝者女将20万没収!」

 あれ?なんで気付かなかったんだ?1ゲーム20万なら1ラウンド2万円のはず。だけど、今ここで行われてりうのは1ラウンド20万の1ゲーム……200万。

「あれ?これってヤバいんじゃ」

 自身では払いきれない重圧が襲いかかる。心臓の鼓動が早くなる。

「どうしたんジョーカーはん、一向にサイコロを振ろうとしまへんな。もしかして怖気づいてしもうたんですか?」

「これってどれくらい遅延が許されるの?」

「手が震えておりまよ、ジョーカーはん。いくらでもまってやりますよい」

 ん?今一瞬ジョーカーの顔が笑ったような。

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