イカサマ

 「でも10万円のチップたった1枚で入れるのか?」

「行ってみれば分かるよ」

 ジョーカーと一緒にカジノの奥にひっそりと存在する2階への階段を昇っていく。

 そこはさっきまでと違い異様な、しかしどこか明るい雰囲気が漂っていた。

「お、ジョーカーの飼い主じゃないかねぇ」

「橋本さん」

「ジョーカーも一緒なんけ」

「久しいね、橋馬鹿」

「ここで会ったのも縁やけ、1枚あげるわ」

 10万のチップ……。

「ジョーカーはんが一緒なら俺は下がるわ」

「え……」

「なんや驚いた顔をして、ジョーカーがおったら試合もただの巻き上げになるしのう」

「ほな、さいなら」

 そう言うと橋本さんは階段を降りて行った。

「スセ君、私達がやるのはチンチロリンだよ」

「チンチロリンってなんだ?」

「スセ君~そんなことも知らないのかい?」

「ゲームは2人以上で行われ、親以外のメンバーは子になる。子が賭け金を決めたら、親がサイコロを振って勝負する役(数)を決める。3回まで振ることができるが、役が出たらその役で勝負。子が一人ずつサイコロを振る。親より強い役が出たら子の勝ち。同じなら引き分け。親より弱いのが出たら子の負け。親に勝ったら自分の賭けた金額を親からもらい、負けたら親に払う。」

 なんとなく分かったかも……。

「聞いてみるよりとりあえずやろうか♪」

 大丈夫だろうか。不安だ。

 

「またカモがネギ背負ってきたのう。ジョーカー殿も諦めが悪しゅうことで」

 奥の一室で狙いを定める女将がここに1人。

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