展望デッキ
「なんで僕の名前を知っているんだ?」
「んー?」
ジョーカーはニヤニヤと笑みを張り付けては、まるでショーを見ているかのような目で見てくる。
「ジョーカー、君は僕のことをどこまで知っているんだ?」
「……君が警察官のこととか、君が事件で犯人を銃殺したこととか」
聞けば聞くほど彼女は何者かと思う。
ジョーカー。道化師。
偽りと騙しあいが日常のように行われているこの船でそう呼ばれてる程の実力者。
「なんで僕に、なんで僕を狙ったの?」
こんなことを言わなくても分かっている。
初心者で、この船のことを知らない絶好のカモだからだ。
「君と船に乗ると面白そうだから」
「本当にそんな理由なのか?」
「本当だよ。今嘘をついても得なんてないもんね」
彼女の言葉がどこまで信用出来るか分からない。
だけど僕はこの船で彼女のことを信じてみようかと思う。
「ジョーカー。改めてよろしくな」
「あぁ、こちらこそよろしくスセ君」
こうして僕とジョーカーの飛行船での奇妙で不思議な騙し合いが始まるのだった。
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