第2話 このまま

漂っていたいね。

ユラユラと。

暖かい海の中で。


「ねぇ、あんた・・・」

「うん・・・?」


私の問いに顔を向ける。

相変わらず、面倒くさそうに。


クスッと笑った。

あの頃と変わらない。


そうか。

だから、あの時。

私達は喧嘩したんだ。


「あ、あのさぁ・・・」

「えっ・・・?」


口ごもる表情が。

何だか、可愛いと思った。


「ごめんな・・・」

「あんた・・・」


ほんの一言に。

私の頑なな気持ちが。


溶けていったのです。


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