あの日、私は失恋した

ARuFa

第1話 あの日、私は失恋した

社会人になってもうすぐ2年が経つ。いつものように家に帰ってきてすぐに冷蔵庫に入っているビールを手に取る。

この2年を通してよくわかったが、社会人のストレスというのは毎日発散しないとやっていけない。

それこそ、ビールでも飲んで気を紛らわせないと倒れてしまいそうだ。コンビニで買った夜飯を食べ、お風呂に入って肌の保湿だなんだとやって寝る。

そんな日々を送っていた。


ビールを飲みながらスマホをいじっていると、一通のメールが届いた。

送り主は『鈴川ことは』 彼女は高校時代のクラスメイトであり、今も時々会う数少ない同級生だ。


『明日の同窓会、音那忙しいと思うけど来れるの?』


そういえば、明日は高校時代のクラスのみんなと同窓会をする予定だったんだ。

忙しくて頭からすっかり抜けていたけど。


『うん、久しぶりにみんなに会えるから絶対に行くよ』


そう返信し、久しぶりに会うみんなとの思い出が詰まった卒業アルバムを手に取る。

ここには私が過ごした高校3年間の思い出が全て詰まっている。

ページをめくりながらかつての思い出を蘇らせる。

文化祭や修学旅行、みんなと過ごした何気ない日常を。


最後のページを見た時、私は微笑んだ。

卒業式で撮った、クラスの集合写真だった。

そこには楽しそうに笑うみんなの姿が。


私は思い出す。

あの日、私たちの運命は大きく変わったのだ。


「俺、好きな人がいるんだ」


彼:聖湊の言葉を聞いて、私は頭が真っ白になった。

彼とは中学校から知り合い、それからずっと一緒にいた。

それなのに、彼には私以外に好きな人がいた。


私はその場から逃げ出した。

失恋するということがこんなにも苦しくて、辛くて、惨めな思いをすることを知らなかったから。

ずっと一緒にいたから、この気持ちが簡単に崩れ去ってしまったことが悔しかった。


もし、神様がいるのなら私はこう言っただろう。


「神様の嘘つき」


これは私の青春とたったひとつの後悔を生んだ物語である。

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