リアル料亭・ガチ仲居番外編

手塚エマ

第1話 雨の日の傘

 少人数のお客様の宴席です。

 行きには雨が降っていたとしましょう。

 けれども、宴席の最中に雨が止み、もう降りそうにないなとなった時、仲居はトーション(ナフキンとは言わず、私が勤めた料亭ではトーションと呼ばれています)でお客様の傘の雫を拭います。

 もう傘を使う必要がないからです。


 トーションで雫を拭き取ったらくるくるまとめてひだを整えて終了です。


 お客様に傘を御返しするときはUの字に曲がった方を自分に向け、持ち手をお客様に向けて渡します。傘ひとつでも仲居ができることがあります。

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