第26話
逆襲は、思わぬかたちでやってきた。
「正式な申しこみ?」
夜ということもあり、できればあまり
しかし
真っ青な表情とうらはらに、
落ち着いて、きびきびとことの顛末を説明しはじめる。
「今、
「
「じょ、冗談……」
思わず、声が上擦ってしまう。
強行突破どころではない。
完全に勝負を賭けにきている。
「わたくしだって、冗談だと思いたいです」
常識外れにも、ほどがある。
「だいたい、姉妹そろって妻として娶るなんて……。
どうして、そんな外聞が悪い真似をできるの?
ありえない」
そうなると、答えを出さなくてはいけない。
文のやりとりもろくにしていない状態で、強引すぎる行為だった。
「……あ、でも、
ふと、
「
「わたくし、結婚なんてしません」
「
「え……」
「だから、わたくしは平気。
それよりも、姉宮さまのことが心配です。
わたくしを諦めさせるかわりに、姉宮さまだけでもなんてことになったら」
「じょ、冗談じゃないわ!
それは困る。
すごーく困るの!」
「姉宮さまは、 わたくしがお守りします」
「本当は、わたくしが姉宮さまをお嫁にもらいたいくらいですもの」
「へっ」
「な、何言って……」
「本気ですわ。
この身が口惜しい」
つまりは、彼女も禁色の恋に生きる人ということか。
最近、流行っているの?
なんだか、遭遇率が高いんだけど……。
「あ、ありがとう。
好いてもらえるのは嬉しいけど、でも、わたしたち、姉妹だし……」
「でも、お腹が違いますもの。
昔なら、結婚できました。
妹よ兄よと呼びあうことができましたのに……」
古めかしい夫と妻の表現を引っ張ってきて、
いやでも、わたしたち女同士だから無理。
飛鳥の都の時代にだって、そんな話はないわよっ。
しかし
どうりでよくしてくれると思ったら……。
下心か。
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