第25話
夜が訪れる。
体の変化で、日が完全に沈んだことを
結局、今日は一日、
なんだか、お気楽な一日だ。
たまには悪くないけれども。
「ねえ、
こういうのが、余裕ある生活っていうのかしらね」
「
また微妙にずれたことを、
「宮さま、かもじは外さないほうがいいかもしれませんよ。
「そうね。
注意する」
本当は、単になるのもまずいかもしれない。
しかし、眠るときばかりはしかたがないことだ。
あまりにびくびくしていると、よくないしね。
気を張りつめた日々を送ることになりそうだが、どうなることやらと
「それにしても、
結局、彼の文へは返事をしないままだ。
「色好みということでしょう」
「それはもちろんそうなんだろうけど。
なんだか、腹黒そうな人よね」
「当代一の権勢家ですから、それはもちろん、あれこれとお考えかもしれませんけど」
「でも、もし宮さまがお嫁に行ける体なら、
「どこが」
「わたしはごめんよ。
いくら権勢家とはいえ、姉と妹を同時に寵愛するような男と結婚するなんて!
それに、あの人が魅力的だと思っているのは、元
彼の余裕の態度を思いだすと、それだけでいらいらしてくる。
「だいたい、
それなのに、既成事実に持ちこもうなんて、度し難い自信家よ。
自分は罰せられることがないと、思いこんでいるに違いないわ」
「事実、そうでしょう。
「色ぼけが
「
どうせ、もう無茶はしてこないでしょうから。
それよりも、せっかく都の中にある三条邸に来たのだし、
「とりあえず、わたくしがお屋敷の様子を探ります。
宮さまが目につかぬよう、出ていかないと……」
「そうね。
ありがとう、
「そうですわねえ……」
そして、いつものとおり、なんの前振りもなく泣きだした。
「……どうしたの、
さすがに馴れているので、
「いえ。
同じ父帝の姫宮としてお生まれになったというのに、
「しかたがないことよ」
ふっと、
「こういうものも、運や巡り合わせがものを言うわよね。
わたしは、しかたないと思ってるわ」
「宮さま……」
「それにしたって、いつまでも三条邸に厄介になるわけにはいかないし、これから先のことを考えないと」
そう言いながらも、まずは神罰が解けないことには、どうしようもない気がしている。
先は長いわね。
ていうか、暗い。
でも、どうにかできるのはわたしだけだものね。
そんな想いも、あらたにする。
なんとか、どうにかしてみせる。
とりあえず今は、もう寝よう。
いろいろなことがありすぎて、疲れちゃった。
はあっとため息をついて、重ねた
せめて夢の中くらい、いい思いをしたいものだ。
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