繋がる空に安息が来る
ゆっけ
1歩目「ユガを驚かせたい!」
ーいつもの放課後ー
ユガはサグラに、ある教室へ呼び出されたが、教室にはマルタが座っていた。
「あれ、サグラは?」
ユガはマルタへ聞いた。
「何かやりたい事あるって言ってどっか行ったよ」
マルタは少し困惑した声色で答えた。
「……早く戻ってこないかな」
何故サグラとナタマが居ないのか…
ー数十分前ー
「何かイタズラしたいな〜」
サグラがナタマにダル絡みをしていた。
「……イタズラにしてもどうするのだ」
ナタマも少々乗り気のようで、サグラとイタズラの相談をしていた。
すると…「何やってるの?」と、2人のいる教室に入ってきたマルタが声をかけた。
「あ、マルタじゃん、今ユガにイタズラしようとしてて」
サグラがマルタへ事を話すとナタマが
「……マルタには一役買って貰おうか」
「「……え?」」
マルタは2人に無理矢理巻き込まれる形でこのイタズラに参加させられた。
「…って感じでやるからマルタはユガを引き付けといてね」
マルタを交えた3人で作戦を練るが、どうもマルタは乗り気ではなかった。
「俺がやる意味……そもそも!ナタマは?」
「我輩がやると怪しまれるだろ?」
「それは…ナタマの普段の行いが悪いんじゃ…」
マルタとナタマの言い合いがひと段落つくと、サグラが
「とりあえず…僕とナタマはイタズラの準備をしてくるから、ユガがきたら引き止めてね」
「はぁ……」
マルタは呆れながらイタズラの為に教室を出た二人を見ていた。
ー現在ー
「梅雨の時期ってストレス貯まらない?」
ユガとマルタは雑談をしながら2人を待っていた。
「そうだね〜毛が湿気吸ってやばい事になるし……」
しかし、マルタには何処か後ろめたい気持ちと、早く解放されたい気持ちがあった。
(今ユガにバラしたら2人、怒るよね………)
すこし怪訝な顔をしたマルタへユガが
「マルタ…どうした?考え事みたいな顔して」と聞いてきた。
「いや……ん…なんでもないよ」(早く戻ってきて…)
そんなマルタをみてユガが一言
「そっか、無茶してるのかと思ってさ…」
なんとか話を変えられたが、マルタが怪しまれるのは時間の問題だった。
そんなこんなで数分後。
「良し、ちゃんとユガが居るね」
「だな」
教室の外でコソコソしながら二人が戻ってきた。
「手始めにこれはどう?」
サグラは、ユガに向けて何かを投げたそれは……バッタの玩具だった。
それはとても綺麗な動線でユガ達の机の目の前に落ちた。
「うわぁ!?」
マルタは突然の事あまりに大声で叫んでしまう。
「どうした!?………玩具じゃん」
ユガは一瞬不安になるが、オモチャのバッタを見てすぐさま冷静になった。
「……良かった」
マルタの目線が少し、ユガから逸れる。
「……ん?」
ユガはマルタの目線が逸れたことに気づき、さりげなくその方向を確認した。
「……怪しんでるな」
「なら次は!」
そう言ってサグラが取り出したものは……大きめなクラッカーだった。
すかさずナタマが紐を引っ張り、教室内へ発砲した。
クラッカーは爆音を奏で、銀紙が2人へ向かった。
「誰っ!」
ユガは勢いよく振り返るが、そこには勢いよく向かってくる銀紙のみあった。
「………なぁ、マルタ」
ユガは冷静にマルタに迫る
「なに……?」
「………何か知ってるよね?」
マルタはそんなユガに震え上がりながらも
「知らない…」と、答えた。
「………」
ユガは涙を少し目元にためているマルタに、無言の圧をかけはじめた。
「ヤバっ……最後の奴早く投げて!」
焦ったサグラは最後のイタズラアイテムをナタマへ投げるよう指示した。
「っ…分かった!」
ナタマはとあるぬいぐるみを持って……
「ねぇ……」
「……っ…」
尋問しているユガ目掛けてハイエナのぬいぐるみが飛んでくる。
「っ…あ……」
震え声のマルタに半ば切れてるユガは……
「どうせまた……んっあぁぁ!?!?」
ユガが振り返ると同時にぬいぐるみが顔面に命中し、ユガが絶叫する。
「完璧!…じゃあバレないように逃げよう」
サグラがつい、大声で叫んでしまう
「………その必要は無いよ 」
ナタマはその違和感にすぐ気づいてしまった。
「ん?………っ!?」
ユガは隠れている二人に向けて杖を向けた。
「お前らがイタズラしたんだろ?」
「…何言ってんの、僕らはただ…」
サグラは何とかとぼけようとするが…
「…………逃げるぞ!」
突然、ナタマがサグラの腕を掴んで逃走した!
「逃すか!!」
ユガは逃走した二人を追いかけるように教室を駆け出した。
――――――――――――
「ナタマ!どういうこと!?」
何とかナタマに追いつくサグラが問う。
「お前なら分かるだろ!」
「説明になってない!」
適当に説明するナタマに当たり前の事を言うサグラだが……
「待て……っ!」
廊下を爆走する2人を追いかけるユガ
「流石に追いつかれるか………掴まれ!」
するとナタマはサグラの腕を掴みあげた
「うぇ!?」
呆気に取られるサグラ、それに対してユガは…
「…っ…窓から逃げる……気か!?」
ユガは息切れしながらも2人を追いかける
「我輩の方が1枚上手だ!」
ナタマは窓からサグラを抱えたまま飛び出した!
「えっ…ちょ!ナタマ!?」
「はっ…!はぁっ……!!てめぇ…っ…ら!」
驚くサグラはゼェハァしながらもまだ諦めないユガと目が合った。
2人は無事に屋上に着地した。
「……流石にここまでは…」
安心するサグラだが……
「……来ないって?」
突然のユガの登場にサグラが固まった。
「…………疲れた…」
ナタマ達はお互い寄り添って恐怖で震えている。
「どっちが主犯だ?」
「「………」」
「もう一度聞くぞ、""どっちが主犯だ""?」
ユガがそう言うと、ユガの足元から氷が貼っていき、周囲も冷えていく。
「……ぼ…ぼくで……ず………殺ざないで………」
サグラが、泣きながらも自供する。
「そっちか……それは分かんなかったなぁ……」
ユガの表情が一瞬緩んだかと思うと……
「じゃあ……何でマルタを巻き込んだの?」
「……………」
ユがの問に思わず口をつぐむ
「自分は別にどうでもいいけど、実際、マルタの方が驚いてるし……」
ユガの言葉を素直に受け止めるサグラ
「ごめんなさい……」
するとユガが一言
「……んで、ナタマは?」
「……え?」
2人が周囲を見回しても人っ子一人居なかった。
「…………あいつ」
ユガは怒りを顕にし、サグラに対して。
「自分はナタマをシバキ倒すからサグラはマルタの所に居て」
「…………分かった」
サグラはユガの言う通りにマルタの元へ向かった。
「……あいつの向かう所は――」
そう言い放つユガは傍から見れば青白いオーラがまとっているように見えた。
するとユガは屋上の入口から爆速でナタマを捕まえに行った。
〜一方その頃〜
「ふぅ……なんとか逃げてこれたな…」
ナタマはユガの隙をついて逃げ出した。
「我輩の方が一手早いのは変わらないな…!」
「へー……そーなんだー」
ナタマがさらに逃げようとした瞬間、足元から氷の塊が発生し、ナタマを拘束した。
「ぐっ…ぅ…!」
「………逃げるのは違うんじゃない?」
ユガのその声にビクッと震えるナタマ
「……!!!!!」
ナタマはユガの方を向きガタガタ震えている。
「さぁ……''
そういうと、ユガは不適な笑みを浮かべた。
「…説教に武器はいらないと思うのだが……」
「………ははっ」
ユガの笑顔にナタマは泣きかける
……
………
…………
「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!!」
その周囲にはナタマの絶叫が響いた。
繋がる空に安息が来る ゆっけ @taruyukke_st
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