第2話⭐︎ベータ開始2日目⭐︎
アイテムボックスは外でも有効だったので、今日から学校に持っていく全ての教科書とノートや文具品、それに麦茶を入れた水筒とお弁当をアイテムボックスにしまい、学校には空のバックパック1つだけを背中に背負って行くことにした。支度の必要がなくなるのと、身軽に動く為にも荷物は軽くしておきたかった。
学校までは自転車で30分の距離にある、制服が可愛いのと近いからこの私立高校を選んだのだ。
席につきカバンから教科書とノート、ペンケースを取り出すフリでアイテムボックスからそれらを出してから朝のHRが始まる前に
トイレの鏡で身支度を整えてから席に戻るとすれ違いざまに男子生徒にぶつかり、相手の荷物を落としてしまった。
顔を見ずに急ぎ手に取ったものを渡すと『俺がお前でお前が俺でダンジョンが導く とりかえばや交換物語』というライトノベルだった。
4時限まで終わらせた後、今日はいつもの友人と昼のランチタイムは断って図書室に向かいサバイバル本や料理本など何冊か選び借りておいた後、中庭のベンチでお弁当を食べていると、先程ぶつかってしまったクラスメートの織田君こと通称オタク君が横に座ってきた。
「珍しいね、さっきはありがとう1人?」
「ちょうどよかったオタ君、あれ?さっき?本はオタくんのやつ?オタくんダンジョンとか詳しいの?」
「ダンジョン?小説ならわりとよく読むよ。詳しいかはわからないかな。」
「今度聞かせてくれる?今日は昼休みもう終わるから」
「わかった明日の昼にどう?」
「了解です」
2人で急ぎクラスに戻り6限までこなしてから帰宅すると時計は4時を示していた。麦茶を冷蔵庫から取り出し学校に持って行った水筒を洗い、新たに入れ直し鍋の蓋をひとつ持ち、自分の部屋に入り外のドアプレートに勉強中とぶら下げておいた。
こうしておけば家族は部屋に入らないのだ。内鍵を閉め麦茶を入れた水筒をアイテムボックスにしまい、ジャージをBox内から出して身につけ、鍋の蓋を取り出し左手で握った。
チェストの引き出しを開け階段を降りるとスライムが1匹いたので今日は軽く殴り倒した後、宝箱ごとアイテムボックスにしまい赤い扉を開いて先に進んだ。
扉を開くと緑の小人、所謂ゴブリンが2匹棍棒を持ちぐるぐると部屋を歩き回っていた。
拳を握りしめホップステップジャンプの三歩で背後に回り込み腕を振り回して1匹殴り捨ててから足を回しI匹を壁に向け蹴飛ばすと、光の粒が散るように2匹が煙となって消え、宝箱が落ちてきた。
すぐさま次がポップアップしてきて、滞在2時間を超えたあたりで2500匹討伐を超えると、『次の部屋を開く事ができる討伐数を超えました、新たな部屋への扉が現れます。』とブザーと音声が部屋に響き、新たに次の黄色の扉が現れた。
次の部屋にはツノを一本生やした大人カンガルーサイズのうさぎが3匹ぴょんぴょん跳ねていた。少し強くなったそれを右手と左手の拳を使いこれまた接近戦をこなす事2500匹を超えたあたりでブザーが鳴り
『次の部屋を開く事ができる討伐数を超えました、新たな部屋への扉が現れます。』
緑の扉が正面に現れた
緑の扉が現れたのでキリのいいところで終わりにする。
帰り道にスライムとゴブリンがリポップしていたので殴り飛ばし出てきた宝箱は、これまた開けずにそのままアイテムボックスに、今日は出てきた宝箱は時間短縮で全てしまっていたので、階段を登りタンスの引き出しを出て、引き出しをしまってから部屋着に着替えジャージと鍋の蓋と靴をアイテムボックスに仕舞った。
アイテムボックス内ではなぜか宝箱(空)も残ってて、それと品物に分類されていた。
【持ち帰り品】
宝箱(空)5003個
魔石:3500個
スライム印のメダル2枚
ゴブリン印のメダル2501枚
ツノうさぎ印のメダル2500枚
ポーション1501
本2冊
《ステータス》
狭間 遥戈 β《ベータ》テスター 14歳 女
level26(次の経験値迄あと520)
HP240
MP740
攻撃力230
防御力120
魔防力160
素早さ200
幸運力3896
スキル ♾️アイテムBox
拳ひとつあればいい
本を見ると
『簡単な錬金術』
『メダル交換ガイドブック』
と表紙に文字が現れ初心者レベルの錬金術が
使用可能になった。
メダルガイドブックは交換可能な魔道具や素材の一覧が表示され、最後のページを開いた際に紙で中指を切ってしまい、背表紙に血を垂らしてしまうと、白煙が立ち上り消えると同時に耳が黒顔は白で黒い燕尾服を着た二本足で立つ猫が本から現れ一言呟いてきた。
『やぁ 君が今から僕のご主人さま?』
私は見ないふりで部屋を出ると、扉をそっと閉め階段を降りていった。
チェストがβダンジョンに ✖︎拳ひとつ編✖︎ スあん @annko16
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