三題噺
@pokebee
三題噺「本屋」「レーザー銃」「飽く」
202X年、春。
Vの世界に誘われた俺。なのに今、本屋にいる。
過去のものだから、過去の世界に来ればまた会えると思った。本屋なんてもはや時代に取り残された終わりの世界だと信じ切っていた。
現実は違った。トレンドが可視化され、古いものは淘汰されゆく世界、それが本屋。2020年より前の情報なんて出てきやしない。そんな情報には用がないんだけどね。
Vの世界は虚構とは思えぬリアリティがあった。でもこの本屋にはどうも現実とは思えないフィクションじみた作りだ。本屋もアップデートされてるのかな。
本だけではなく家電も置いてある。……なんだこれ。スチーマー?……あぁ、目を癒すためね。高齢者向けかな。俺の癒しはどこに行ったんだか。しかしこのコーナーは俺向けじゃない。あっちはギラギラしてるから行ってみよ。
……って、子供向けのコーナーじゃないか。しかしオモチャも進化したなぁ。俺なんてBB弾でワイワイやってたってのに、今の子供はレーザー銃ですか。
どうせレーザーと言ったってあれだろ?教授が使ってるアレ。それがちと強くなった程度の。
はぁ、欲しいものはありませんでしたね。こんなところにいてもどうでもいいです。帰ろ帰ろ。
最近、あのVが真の虚構と化してからどうも飽きっぽくなってしまった。特に暁の気だるさと言ったらありゃしない。
こんな俺、女の子だったらまさに飽くたん……ってね。一人称たん付けはきついか。
はー。サクサクなベーコンポテトパイ食べてぇ。
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