第2話 意識と覚悟
新たな閻魔の誕生を受け、地獄の管理者たちはすぐに動き出した。
その中でも鬼神は先代閻魔に続き、閻魔ちゃんを支えていく側近になった。
「ねぇ、鬼神さん、今の地獄はどんな状態なの?」
彼女はまだ幼く、地獄の統治者としての知識も力も持たない。
このままでは名ばかりの王に過ぎず、この崩壊しつつある地獄を立て直すことはできない。
この子は地獄の最後の希望なのだ。
「では、今から地獄の現状を見に行きましょうか。」
鬼神は閻魔ちゃんを抱え、地面を強く踏み込み高く飛ぶ。
「わぁ、すごい」
そんな感嘆の声を漏らし、目を輝かせながら、広大な地獄の景色を見ていた。
しかし、彼女の期待とは裏腹に、そこに存在していたのは荒廃した地獄だった。
「なんだかすごく荒れてるね」
閻魔ちゃんは地獄を見回す。辺りは荒廃し、血炎の川も干上がり、所々魂が彷徨っているのが見える。
「そうでしょう。閻魔様が亡くなられたことで、地獄の秩序は壊れました。本来ならば、ここは処罰が裁かれ、罰を受ける場所です。しかし、今では誰も執行する者がいないのです」
鬼神は静かに言いながら、干上がった炎の川の跡地を指差した。
「あの川では、かつて血の池地獄が流れ、罪人たちが罰を受け、流れ、次の処罰場へ流れるはずでした。しかし、川は干上がり、統制体制も崩れ、あの川は機能を失いました。」
上空から地面に下り、閻魔ちゃんを下ろす。
閻魔ちゃんは眉をひそめた
「‥私が今の地獄を変えないと‥よね?」
鬼神は閻魔ちゃんの言葉を聞きひざまづき答える
「唐突で申し訳ないですが、貴方様にしか出来ないことなのです、どうか我々を導き、より良い地獄を創造していただきたい‥」
閻魔ちゃんはぎゅっと拳を握る
「‥わかった‥!私がこの地獄を元に戻してより良い場所にする!」
閻魔ちゃんは覚悟を決めそう言った。
「では、早速あなたにやっていただきたいことがあります」
閻魔ちゃんは鬼神をじっと見つめ、首をかしげた。
「……どうすればいいの?」
その声はか細く、不安を隠し隠していた。 しかし、その深紅の瞳には確かに強い意志が宿っていた。
「あなたには、地獄の奥底に眠る刻門を開けて貰います。」
「刻門……?」
閻魔ちゃんは首を傾げる
「その門の先には、先代閻魔様が残した何かが眠っているとされています。しかし、その門を開けるためには閻魔である素質と意識が必要なのです。私達では開けることができず、先代閻魔様しかその門を開けることは不可能でした。」
「……でも、そんなすごい門を私に開ける事なんてできるのかな……?」
閻魔ちゃんが心配そうに呟く。
「あなた様には素質が見受けられます。あとは覚悟と意識をお持ちであれば大丈夫なのです。」
閻魔ちゃんは小さく息を呑み、俯く。
「……私が、地獄を……。」
小さな手を握りしめながら、彼女はそっと顔を上げる。
「わかった。やってみる‥!」
「流石です、閻魔様。では今からその場所に向かうとしましょう。」
そう鬼神は言い、閻魔ちゃんを抱え再び空を飛んだ
閻魔ちゃん Popsicle922 @Popsicle922
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