日本語破綻文字打ち中毒執行人

「私は犬です」

 死んだ犬は神様にそう言いました。

「そうですか。ですが残念ですがそれは知っています」

 神様は犬語で答えました。犬語というよりは性格にはテレパシーでした。

「そうでしたか。それは失礼しました」

 犬は敬語で頭の中で答えました。

「良いんですよ。それであなたは何がご希望ですか?」

「えっ、私は怒られる為にここに連れて来られたのではないのですか?」

「そんな可愛い間違いをしていたなんて」

 神様は(笑)を含ませて言いました。

「じゃあ、私はなぜ」

 はてなが頭に浮かんでいる犬。

「ジョリー。あなたは次に生まれる場所を選べるのですよ」

「私の名前を呼んで下さるなんて」

 ジョリーは飼い主に名づけられていた名前を神様に呼ばれて、嬉し鳴きしました。

「私が次に生まれる場所を選べるなんて」

「ちなみに、前の飼い主は新しく犬を飼いました。そしてその犬には新たな命が宿っています。なので、あなたが望むのならば前の飼い主の元で再び犬に生まれ変わる事が出来ますよ」

 神様が神々しい愛情オーラを纏って犬に言いました。すると犬は。

「私の後に、もう犬を飼っているなんて。なんて薄情な飼い主だ」

「い、いえ。悲しんでいますよ。その証拠にあなたと同じ犬種で同じ名前を付けています」

「やはりな。私はただの代わりの効くただの犬だったのだ。いや私自身がもしかしたら前に飼っていたかもしれない犬の代用品だったのかもしれない」

「ちょ、ちょっと犬さん」

 犬の怒りは収まりませんでした。

「決めた。私の次の生まれる場所」

「えっ、ちなみにどこでしょうか」

「異世界です。異世界転生します」

 こうして犬は異世界転生をしたのでした。そして異世界でモンスターになり冒険者を苦しめたのでした。

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日本語破綻文字打ち中毒執行人 @mojiuchisyuukann

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