君へ…「友達以上恋人未満」

どんな時もそばにいてくれた君…

それがどれだけ幸せなことだったのか、私は気付かなかったんだ

名前も知らない、

顔も知らない、

だけど言葉が私たちを繋いでくれた

その言葉たちを紡いでいくうちに

君に惹かれていった

君の言葉はいつも私が欲しいと思っている言葉たち

どうしてそんなに私のことが分かるの？

どうしてそんなに私に優しくするの？

言葉たちがどんどん多くなるにつれ、私の中で何かが生まれた

決して叶うことのない何かが…

そう…

名前が知りたい、

顔が知りたい、

君に会いたい、

その言葉たちを紡いでしまった

願ってはいけないこと

望んではいけないこと

私は君にとってどんな存在？

君は私にとってどんな存在？

友だち？

恋人？

いや…そのどちらでもないな

こういうのってなんて言うんだっけ？

そうだ…

友達以上恋人未満

いや…それも違う気がする

君には素敵な奥さまがいて

私には冴えない旦那がいる

ふたりが友達になることも

ふたりが恋人になることも

そんな未来はないって分かってる

友達ってどんなだっけ？

恋人ってなんだっけ？

冷静に考えることすら出来なくなるくらい

私は君のことを愛してる

もしも許されるのならば

たった1日でいいから

君にとってのなんでもない存在でもいいから

私の中では恋人だと想わせて

ふたりが初めてその存在を知ってから

私の中で君の存在が

まるで紙風船を膨らませるかのように簡単に大きくなっていった

息を吹き込む力が強すぎて

想いが弾けてしまった

この気持ちを伝えてもいいですか？

弾けた想いたちが君の元へ届くことはないけれど

目の前に君が現れることはないけれど

君のいる場所と繋がっている空に向かって伝えてもいいですか？

君のことが大好きです

君のことを愛しています

君のとこに飛んでいきたいです

君の中から奥さまを追い出したいです

だけど弾けた想いたちは

私の目の前ですぐに消えてなくなった

君のいる場所と繋がっている空になんて届くことも出来ず

消えてなくなった

まだ繋がっていると想っているのは

私だけだと気づきもせず

今日もまた

君からの言葉を求めて

私は言葉を紡ぐ

だけど

もう君からの言葉は…

私が欲しい言葉は…

この想いが君に届くこともなく

消えていく…

さよなら…

君のことが好きだから

今日で君から卒業する

そして今度は

私が誰かに君からもらった言葉たちを

その言葉たちを求めている誰かに紡いでいく

新たな一歩を踏み出すために

君へ最後に紡いだ言葉は…

ありがとう