第3•4回戦『くすぐり、くすぐり、くすぐられ』
「第3回戦、スタートなの二ャー!」
そう言って、クジを引いていく。
「王様は……」
「私なのにゃ!お題は、1番と2番が、羽で3番をこしょこしょする事なのにゃ……!」
「んん?」
羽って言った、言ったよね、今……?
「……なんて、言ったワン?」
「小春先輩。もう一回言ってもらっても、ええですかー?」
「だーかーら、1番と2番がこの羽で、3番をコショコショする、って言ってるのなゃん……!あ。言い忘れてたけど、3番は、肌着になるのにゃ!」
そう言って、小春先輩は2枚の羽をグイッと差し出した。
「3番は私です、ね……」
「ほう、綾ちゃんか。すまんけど、本気でいかせて貰うで」
「雪乃。こっちも準備OKだワン」
羽で、身体中の脇の下や太もも、足裏から、首筋、果てはおヘソまで、ありとあらゆる場所を、コショコショされる。
「脇の下、駄目ぇっ!!太ももとへそ同時、攻撃されたら、変なゃの、目覚めちゃう!ふふふふ!あははっ!来ちゃうってぇっ!そ、こ、だめぇ、だ、からぁ!あはははっ!ら、らめだってばぁっ!!センパイ、んんっ!や、やめっ!あはははははっ!」
「ここは、どうや?!」
「コショコショだわん!」
「あははははははっっ!!駄目ぇッ、です、ってぇっ!!もぉッ、ムリ、だ、から、ぁっ!!ああっ、んんっ!ら、めッッ!あはははははははっっ!やっ、めっ!センパ、耳ら、めっ、そこ、ら、めぇっ!!腹、捩れますってぇッッ!!あはははっ!!もー、む、り!あー!首筋とか、駄目ぇだ、からッ、んんっ!あと、足裏ヤバいぃ!ああっ!んんっ!あははははははっっ!」
たっぷりと、数分間以上、羽でコショコショされてしまった。
ーーーー
「次は順番的に綾ちゃんやねぇー。王様」
「あ、あの!南先輩、さっきの服って、まだ有ります?」
「うん。天使とか悪魔とか、ナース服とキョンシーとか、一通り、揃ってるけど……」
「じゃあ、メガネ着用した上で、1番が悪魔の服で、3番が天使の服で、天使と悪魔として、『王様』である私を誘惑して下さい。あと、服とメガネはゲームが終わるまで、着用続行でお願いします」
「1番は
「3番はボクだワン!雪乃負けないわん!」
「あ、南先輩。天使やっている時は、語尾に『ワン』無くて良いですよー」
「了解!」
ーーーー
2人共が、着替えを終え、出てくる。
「……あやちゃん、
そう言って、雪乃先輩に距離をグッと詰められ、私の腕を囲う様に掴まれる。柔軟剤の香りだろうか、フワリ、と良い香りがした。
「駄目だよ、綾ちゃん!悪魔の誘いになんか乗っちゃ……!綾ちゃんはボクと一緒に、健全に遊ぶんだから!」
「ふふっ、綾ちゃん、普段は真面目やし、たまには遊んでもええと思うよー?あ。あと、綾ちゃん、好きやろ……?こーゆーの」
雪乃先輩はそう言いながらツツ、と私の太腿をなぞり、私の耳に息を吹きかける。
「……ッツ?!先輩?!」
「なっ?!悪魔め!綾ちゃんはボクのモノなのに!」
「いつ天使さんのモンになったんですかー?
雪乃先輩がはむっと耳を甘噛みしてくる。
「んんっ?!せんぱッ、耳、んっっ!ダメ……!んっ!あっ!しょっこ、だ、めぇッッ、れす!」
「なっ?!なんて、ハレンチな?!悪魔よ……。お前のこと、見損なったぞ……!これは、悪魔という名の毒牙に掛かりかけている綾ちゃんを救う為の行為だ!」
南先輩がそう言いつつ、髪に軽く触れる程度のキスをした、と思ったら、グイッと距離を詰めて、そのまま首筋をペロリ、と舐められ、軽めに首筋を吸われる。
「綾ちゃん、おいひぃ……」
「ふ、ふえぇっ?!み、南先輩?!」
「ふん、天使め……。お前がその気やったらッ……!」
対抗する様に、雪乃先輩が私の手を取って、指にかぷり、と甘噛みしつつそのまま私の指を舐める。
「指、らぁめぇっ!溶けそうになっちゃっっ……!!んんっ!なんか、なんか、来そうになっちゃう……!」
「綾ちゃん、は
いつしか、先輩達の声が重なっていた。
「せ、先輩がたぁっ、はぁっっんんッ!わ、私の、為にっ、あ、争わなゃいでぇっ!下さいッッ!」
何とか、息も絶え絶えに、私は言い切った。真逆、人生で、『私の為に、争わないでーー!』というセリフを言う日が訪れようとは……。人生、本当に何が有るか、判ったモノではない。
「もーー!雪乃ちゃんもミナミも、やり過ぎだニャー!二人共悪ノリし過ぎなのにゃ!そんな悪い子二人にはメッ、だニャー!」
「すんません……」
「ごめんなさい、なのだワン……」
そんな中、服の乱れを直しつつ、私は三人に声を掛けた。
「こ、こほん。取り敢えず、順番は一巡はしましたけど、次、どうします……?」
「綾ちゃん、決まってるんだワン!王様ゲームはまだまだ始まったばかりだワン!」
「そーそー。王様ゲームはこれからが本番なのにゃん!」
「綾ちゃん……。ここまで来たらどこまでも、それこそ、骨の髄まで付きおうて貰うで……」
私は、先輩方の返答を聞きながら、確信した。
まだまだ、
(次回 『愛を囁きたいッッ!!』続く)
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