第25話 攻撃手段が限定される相手という災厄

 結局そこから、ある意味思った通りに、安全地帯をもう一回移動するぐらいの時間をかけて、ウェストポーチを強化した。途中でボス部屋があって、強化されたレイスが出た時はどうしようかと思ったけど。爆発の魔法のカード10枚を耐えたから、かなり危なかった。もう一回10枚投げたら倒せて良かった。

 ただ、ドロップアイテムが、こう、何か、角型ランタンっていうんだっけ、これ。青い光で周りを照らすやつだったんだけど、重いし取り回しが悪いし、確か効果も、ゴースト系のモンスターを発見できるけど、寄ってくるようにもなるってやつだった筈だし。

 ゴースト系のモンスターは、姿を消せるようになるやつもいるにはいるんだけど……その辺り、ある意味律儀と言うか、何というか。あっちが攻撃してくる瞬間は、絶対に見えるんだよね。そして結構動きが早いから、見つけたら次の瞬間ぐらいには攻撃されてる。


「せめて、見つけたら普通の攻撃も通るようになるぐらいの効果は無いと……」


 まぁつまり、ハズレ、って呼ばれてるドロップアイテムだった。あーあ。魔法のカード、20枚も使ったのに。何枚かでいいから魔法のカードぐらいは出て欲しかった。それはそれで空しい気持ちになってたかもしれないけど。

 っていうのはともかく。ウェストポーチは、ここまでのドロップアイテムが、1つに入るぐらいまで、強化出来た。たぶん鞄っていうより、押し入れとかぐらいの容量になってると思う。……ドラゴンの尻尾とか翼とか考えると、もうちょっとあるかな? ちょっとした倉庫ぐらいは、あるかな?

 どれだけ中身が入るようになっても、どれを出そう、って思って手を入れると、ちゃんと手に取れる。魔法のカードを投げる時とか、どのカードを何枚、って思ったら、その枚数が手の中に入ってくるから、取り間違いとかが無くて、とても助かる。


「……カード、だいぶ減ってる」


 助かる、ん、だけど。流石に、残り枚数は把握しておかないといけないし。だから、荷物整理のついでに、枚数と種類を確認したら……うん。かなり、心もとない、としか。やっぱり、あのボスモンスター(通称)化したレイスが、強敵だったなぁ。

 普通の攻撃が効かない相手にも、攻撃が当てられるようになればいいんだけど……どうすればいいのか、分からないし。魔法使い型のモンスターが杖を良く落とすけど、別に、魔法が使えるようになる訳じゃないし。杖の形をした棒、なんだよね、あれ。

 魔石を武器に使ってみても、壁をすり抜けてくる相手に攻撃を当てるのは無理だった、って話が出てるし。魔法のカードとか、オーブの赤い(大爆発する)やつとか、ダンジョンから出てくる、使い切りの道具でしか、倒せたって話が無い。


「その辺、滅多に出ないやつでしか倒せないのは、どうにかしたいというか、おかしいんじゃないかなぁ……」


 だって、レイスというか、壁をすり抜けてくるモンスターは、そこそこ出てくるからね。それを倒せるやつはあんまり出て来ないから、逃げ回って、安全地帯に逃げ込むか、脱出するしかない。

 ……流石に、倒せない前提の敵、って事は、無い筈? たぶん? 逃げ回る事が基本の、普通は倒せない奴、って事は、無いと、思う?


「……逃げ回らなきゃいけないなら、壁をすり抜けて不意打ちしてくるのは、おかしいよね。足、は無いけど、移動速度が速いのも、おかしいし」


 うん。あれは、普通に倒せる奴の筈。魔石も、同じぐらいの所に出てくる他のモンスターと、あんまり変わらないし。

 倒せないやつで、逃げ回らなきゃいけないやつなら、それを倒せたら、もっと大きな魔石とか、特別なドロップアイテムとかが無いと、割に合わない筈だし。

 ……無い、よね? 違うよ、ね? 時々ダンジョンって、絶対にどう考えても、それはやっちゃダメなんじゃないかな、って事をするけど……たぶん、これは、そんな事は無い、と、いいな……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る