終わってる世界に新たな風を

醜女

第1話

 これが俺の一世一代の勝負。

「付き合って下さい!」


「ごめんなさい!」


 その言葉を聞いた時、俺の意識は無くなった。



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 次に目が覚めた時、目の前には白い部屋が広がっていた。


「なんだここ?」


 そうつぶやいたとき目の前に金髪の女が現れた。その女は美しかった。ただひたすらに。そして次の瞬間。


「おめでとう!あんたは異世界転生の対象に選ばれたわ!!」


 一瞬何を言っているのか、理解ができなかった。


「それって最近流行りの異世界転生? 俺、トラックに轢かれてないんだけど。」


「トラックは関係ないわよ!。」


「てか俺、告白の途中だったんだけど、ここにどうやって来たん?」


「あぁ、それね。悪いんだけど、肉体が死んでなきゃここに連れてこれないから

 死んでもらったわ。あと言いにくいんだけどタイミングが振られた瞬間だったから、振られたショックで死んじゃったように見えてしまって~」


「えっ、じゃあ俺すごいアホみたいな死に方したように思われててんのかよ!!」


「これ聞いた人みんな爆笑間違いなしよ。現にあなたの家族もさすがに死因を聞いて

 笑ってしまってたし。」


「ふざけんな!」


「そこは悪かったと思ってるわよ。というか時間も限られているし、もう過ぎたことじゃない気にしても意味ないわよ。」


「時間が限られているって?」


「そりゃ、ここ天界なのよ。あんたが長いこといることができるわけないじゃない。そんなわけで説明を始めるわね。何か聞きたいことはある?」


「俺は何で選ばれたの?」


「それはね、ガラポンよ。」


「はっ?ガラポンって商店街とかでよくあるあれ?」


「そうよ。それよ。」


「ふざけてんの?」


「別にいいじゃない。うっさいわね。」


「まぁもういいわ。てかなんで俺を転生させんの?」


「それわね、魔王を倒してほしいのよ。」


「でた。定番。魔王は今いるの?それとも復活するの?」


「あなたが転生して、21歳になるころに復活するわ。それまでに仲間を増やして強くなりなさい。あなたがどれだけ強くなろうと一人では奴に勝てないわ。それくらいしか言えないわね。ほかの質問は?」


「魔法とかってあるの?」


「えぇ、あるわよ。でも魔法はって言いたいところだけどこの辺は転生してから教わるから言わないでおくわ。あっ、ほかにも能力だったりがあるわね。期待してなさい。」


「異世界お決まりのチートはもらえるの?」


「申し訳ないんだけど。あまりすごいのはあげることはできないわね。でもその代わり血筋なんかはいい所にするから。それにあんたは生まれた時から意識があるんだから、それがほぼチートのようなものでしょ。」


 まぁたしかに


「じゃあどれくらいのチートなら大丈夫?」


「せいぜい、魔力の属性をルーレット決めさせるくらいね」


「あっ、ルーレットで決めるの?」


「まぁそうね。でも基本属性か、希少属性か選ばせてあげるわ。」


「基本属性?希少属性?何それ。」


「基本属性は、多くの人が持つ炎、水、風、土、白、黒、無の七つの属性で希少属性はその他って感じね。希少属性の方がいろいろ強いけどその分自分で一から魔術を作くらなきゃいけないわね。」


 その二択ならやっぱロマンをとるしかないだろ。


「じゃあ、希少属性の方で」


「わかったわ、じゃあルーレット行くわね。」


 その言葉ともにどこからかルーレットが現れた。

 そのルーレットはおびただしい量の文字が書かれていた。


「いくわよ。せい!」


 ルーレットが回り始めた。


「ストップといいなさい。」


 少しの間の後


「ストップ!」


 瞬間、ルーレットが止まった。

 ルーレットの針は「空」をさした。


「「空」?なにこれ知らないんだけど。読みが{そら}なのか{から}、それとも空間の空なのか。どれなのかしらね。まぁいいわ。」


「え~なんかないの?」


「知らないわよ。魔法属性はバカみたいな数あるのよ。でもたぶん強いわね。」


「そりゃありがたい。 あっ、次の質問は」


「悪いけど。もうあなたと話す時間は無いわ。あんたは次の世界で使命さえ果たせばあとは自由に生きなさい。ハーレムでもなんでもね。」


 その言葉と共に俺は意識を失った。

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「いったわね。」


女神は一人呟いた。


「さて次の□□はどんな風になるのかしら。」


その呟きは白い空間にやけに響いた。


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「産まれました。元気な男の子ですよ。」


 そういってナース服のおばちゃんが俺を持ち上げる。

 あれ?異世界転生であってるよね。なんで病院スタート?



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 あの後しばらくして、俺はようやく情報の整理ができた。


「いやぁ、まさか異世界転生ではあるけど近代社会なほうだったとは。」


 俺もう、びっくり。でも魔法とかはあるっぽいし、やるっきゃないでしょ。

 魔力トレーニング。これは異世界転生の基本だよね。うん。

 じゃあ、早速魔力を探してみよう!

 取り敢えず丹田辺りから探してみよう。


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 え~一時間くらいあーでもないこーでもないと探してみた結果。

 なんかよくわからん感覚がするのがあったぜ。たぶん、これが魔力だろ。

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