駆け引き

@maimaimai333

駆け引き

俺 : ゆさぶりをかけて彼女を落とすんだ。

まわりみち。ちかみち。とおまわり。

焦らして、焦らして、近づいて。

彼女は何を着ていた。

黒色の服か。

なら僕も同じ黒色の服を着よう。

明日の朝決行だ。

やはり。

1限の冬の授業、彼女はすこし髪型を変えて黒色の服に身を包んでいた。

真っ黒な痛みのない真っ直ぐな髪。

量も多く、肩ひじをついて少しうつむき気味に講義を聞く彼女は厳かな雰囲気に包まれていた。


私 : 私は気がついていた。ハーフアップの髪の間から少し見える彼の姿。

同じように肩ひじを付きながらこちらをじっとみている。

私にバレてないとでも思ってるのか、

それか、それも作戦のうちか。それも覚悟の内。

私の持っていた彼への想い、

彼からの私の想い。

この目には見えないエネルギーが一直線に繋がって交差しているように感じた。

私は彼からの少しばかりの好意を感じられて嬉しかった。

この心の中に感じるじんわりとした暖かい火種。

この種火を絶やさぬように大切に守っていくんだと決めたんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

駆け引き @maimaimai333

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る