「お互い三十過ぎても独り身だったら結婚しちゃうか!」


 そんな約束で、

 あの日に開けたお揃いのピアス。


 でも、写真の中で笑うキミの耳はサラリと綺麗で。


 そっか。

 キミの傷跡はもう塞がったんだね。


 瞳を閉じる。

 撫でる左耳のピアスが冷たい。


 ねえ、愛してる。

 ボクの傷跡は、永遠に塞がりそうにないよ。

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140文字の百合小説 間一夏/GA文庫大賞3作連続・三次選考 @hazama_ichika

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