140文字の百合小説

間一夏/GA文庫大賞3作連続・三次選考

震える指先が、柔らかな場所をなぞる。

少し痛いと貴女は身じろいだ。


貴女の隣に立ちたくて始めた音楽。

貴女に触れたくて毎日練習したギター。


そのせいで硬くなった指先が、

貴女に触れる邪魔をするなんて。


酷い仕打ちに小さくなる私を見て、


『叱られた犬みたいで可愛い』と

貴女は柔らかなキスをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る