第2話 自分の信念を大切に
僕は、その学園の廊下を歩いていた。
そして、空が一面見える場所に腰掛けた。
「、、、」
今日は満月だ。
だが、僕にとっては結構嫌な夜だった。
〖なんでここにいるんだ?〗
背後から声がした。
その声の主は昼間聞いた六年担任の羅々先生。
いずれ見つかると思っていたが、早かったな。
「、、、お疲れ様です!!!先生!!!」
そんな言葉を、笑顔で言ってみた。
理由?
ただの気まぐれだ。
〖、、?!〗
初めて見たと、驚いてしまった。
亜尾先生はまだ職員室に居るだろうけど、、まだ仕事が終わってないらしい。
他の先生は帰ってしまってるし、、、
〖お、おお、、〗
〖お疲れ様、〗
「、、、ww」
昼間出会った時とかなり印象が違っている。
でも、昼間より、、少しだけ、
〖なんでここに居るんだ?〗
「、、ああ、僕ですか?」
〖お前以外に誰が居るんだ、、w〗
凪は、視線を空に移して、何も感じさせずに答えた。
「待っているので。」
〖、、、、え?〗
待っている?
誰を、、?
「先生はどうしてここに?」
〖?!〗
「僕の魔力の気配はしないと思いますし、夜の見回りですか?」
〖あ、ああ。〗
「ご苦労様です。」
そんな言葉を凪が紡いだ時、羅々先生は凪の横に腰掛けた。
「ああ、すみません。」
「直ぐに帰ります。」
〖いや、いいさ。〗
「、、?」
〖まぁ、こんな日もたまにはいいだろう。〗
〖初日だけどねww〗
「、、、w」
〖凪は、どんな魔法使いになりたいんだ?〗
「、、え?」
〖この学園に入ったのも、魔法使いになりたかったんだろ?〗
「まぁ、はい。」
〖どんな魔法使いを目指す?〗
「、、、」
「死なない魔法使い、、って、今は思ってますよ。」
〖死なない魔法使い?〗
〖聞いたことがないな。〗
「僕も、聞いたことがありません。」
〖、、、?〗
「でも、なんだか、目指す所はそこだけかなって、」
〖いい夢だな!凪!〗
「、、、」
「先生は、大切な者を守る魔法使いですか?」
〖ッ!?〗
〖、、、www〗
〖なんでそう思うんだ?w〗
「、、、」
「にやけすぎですし、声も高くなってますよ。」
「別に、何となくです。」
〖、、!!!〗
「流石先生ですね。」
〖褒められるような事は何もしてないんだがな。〗
「、、、、」
「言葉を持ってしても確信が持てませんでした。」
「羅々先生から何か仕掛けてくる様子も無いですし、悪意をもっての隠し事では無いことだけが今話してて分かったことです。」
〖、、、凄いな、、、〗
「羅々先生。」
〖、、なんだ?〗
「魔法使いになったら、見える景色は違くなりますか?」
〖、、、〗
「今見える景色よりも、もっと、暗くなるでしょうか。」
〖いや、〗
先生は立ち上がって僕の方を見つめた。
〖やりたいようにやる!〗
〖それが一番だ!〗
〖凪も、何も無いなら探してみろ!〗
〖なにも、魔法使いが偉い訳じゃないからな〗
「!!!」
「、、、努力、しますよ。」
〖じゃあ、また明日な!〗
〖何かあったらいつでも頼れ!〗
「、、、」
そう言って、羅々先生は来た道を戻った。
僕は、また空を見上げる。
「まさか、、」
「何も無い、、かぁ、」
信じられなかった。
この俺が、一瞬でも、相手に悟られるような会話をしてしまったこと。
別に、後悔も何も無いんだが、、
「流石教師。」
流れ星と同時に、僕はその場から姿を消した。
〘 これから委員会を決める!〙
「「「「委員会、?」」」」
この学園にある委員会は、普通の学校にあるような委員会と同じって思ってくれていい。
だって、魔法学園なんて思えないほど、普通なのだから。
(学級委員って、誰がやる〜?)
誰かしらの声掛けで、クラス中がざわめいた。
〘 僕は職員室にいるから、何かあったら呼ぶように!〙
〘 それと、決まり次第その委員会のクラスにそれぞれが行くように!〙
「「「はーい」」」
学級委員は、このクラスをまとめられる優秀な1年生、、、
(愛菜、学級委員とかどう??!)
だろうな。
瞬間魔法の授業の時、1番出来ていたのが愛菜だ。
[えぇ?!私っ!?]
それに、面倒見もいい。
ほぼほぼ彼女に決定かな。
[うーん、、私は、、]
そう言いながら、僕の目の前に彼女は歩いてきた。
「、、は、、!」
[やっぱり凪がいいと思うよ!]
(((凪か〜、!、確かに、、、)))
おいおい、、
「いや、僕やりたい委員会あるから」
[え〜?だって凪っていつも冷静だし、しっかりしてるし、、]
[絶対学級委員向いてると思うんだけど!]
「いや、ほんとに、愛菜の方がいいよ。」
[なんの委員会やりたいの〜?]
「えっ、と、」
やばいなんか適当に、
「僕は、、、、」
「失礼します。」
僕は、委員会の教室に移動してきた。
〔やぁ!よく来たね!〕
〈1年生か、大丈夫かな〉
(よろしく〜)
〔〈(ようこそ!!!保健委員会へ!)〉〕
〔僕は保健委員会委員長の「里優」!〕
〈俺は四年の「涼川」だよ〉
(五年「雪」でーす)
〔僕たちの他に二年の「シュウ」が居るんだけど、今日は家に帰ってるんだ。〕
「、、、」
「一年「凪」です。よろしくお願いします。」
〔うん!よろしくね!〕
〔じゃあ保健委員会について僕から説明するから、
ちょっと一緒に来てくれるかい?〕
「はい。」
そして、教室から保健委員が活動する保健室に移動した。
〔保健委員は、その名の通り、怪我をしてしまった人を治療する委員会さ!〕
〔担当の先生は羅々先生で、保健室の管理は保健委員に任されてるんだ〕
〔そして、保健委員会は少し特別でね、、〕
「、、?」
〔たまに、実践に行って治療をするから、実力をつけてないといけないんだ。〕
ああ、、理解した。
魔法使いになる為と言っても、ここは"魔法学園"、優秀な高学年の生徒は魔法使いの手伝いとして任務に行くことがある。
そして、その任務に行っている生徒のため、我々はその場所に学年問わず行くことがあるのだろう。
だから、魔力が馬鹿ほど高い人達なのか。
「、、僕は、魔力が無く魔法も苦手ですが、、」
〔大丈夫!!僕も1年の時なんか一回も魔法出来なかったから!〕
ああ、ほんの少しだけ。
胸が痛いかな。
その時、委員長の前に魔法陣が現れた。
これは、通信魔法かな。
〔はい、羅々先生〕
〖悪い、里優、実践での負傷者が出た。〗
〖誰か一人連れてこっちに来てくれないか?〗
〔、、分かりました。〕
〖頼む。〗
「、、、」
〔ごめん〜、さっき言ってたことがもう起こっちゃったね〕
「いえ、僕は一人で作業を見ておきますので。」
〔、、、いや、、〕
「、、え?」
〔初めての実践、、行ってみる?〕
「、、、」
魔法も、魔力も、何も今は出来ないけど。
「いいんですか?」
〔うん!着いてきて!〕
実践というものに、興味があった。
違う。
興味じゃなくて、義務がある。
「何処までですか?」
〔この先!!もうすぐだよ!〕
走りながら、息を整える。
魔力と共に最弱だ。
だったら、せめて。
「「なぜ向かっているのか考えろ。」
〔、、緊張してる?〕
「いえ、全く。」
〔あはは、強いなぁ、〕
〔ほんとに一年生?〕
「、、強く、ないんですよ。」
「ほんと。」
〖やぁ!来たか!〗
〔はい、それで、怪我人は?〕
「、、、」
〖凪も来たのか、分かった。〗
〖こっちだ。〗
そして、僕と里優先輩は羅々先生の後に続いて走った。
だけど、僕は少しの違和感に苛まれていた。
「、、、」
〖、、どうした?凪。〗
「お前、誰だよ。」
〔えっ!?〕
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