魔法学園の謎多き最弱の少年は言葉という魔法を使って最強らしく無双します

第1話 魔法生徒でも魔法はあまり使いません


「あ、やべ。」


「寝坊した。」




魔法学園の初日の登校日、、三時間の寝坊をした。

僕は、ゆっくりとベットから起きてゆっくりと学園に行く準備をする。


「ふぁあああ、、、ねむ。」



あくびをしながら、家を出る。

魔法学園には、六年間通わないと魔法使いとして、名乗ることや仕事はできない。

魔法使いの仕事ってなんだよ、と、心の中で内心呟くが、無視して学園へと向かう。



その途中、僕の目の前に一人の男が壁に突撃した。



「、、、?」



これは、蹴られた様子だった。








(ちっ、!クソがっ!)


(どけ!ガキが!!)





「、、、、はぁ?」






いきなり、そんな罵声を浴びせられた。

学園までの道のりが結構遠いので、とてもイライラしながら歩いていたのだが、、なんだこいつは。


〖ちょっと君!そこ危ないよ!〗



そんな誰かの声を後ろに、僕はその男と向き合った。




「、、、」



(何こっちみてんだよ!)




「まず、危険だと思ったらすぐに立ち上がり防御姿勢を取ること、」



(あぁ?)



「第一に、子供だからと言ってそんな無防備な姿勢で話しかけていたら、攻撃してくださいと言っているようなものなんですけど」


(お前みたいなガキに、、何ができるってんだよ!)


「そうそれ。その偏見。」


「そもそもガキが使えない世の中だったら学園なんて作らないから」


「それと、その油断で貴方の財布取られてるからね?」



(はぁ?)




僕がその言葉を言った時、迷わず右の胸ポケットを確認した。

なるほど。

大事なものはいつも決まった場所に入れている、、、か。



(おいwwちゃんとここにあるじゃねえか)


(馬鹿にしてんのか?ww)



「本当に?」


相手の心理は、言葉よりもその言動にまとわりついて来る。

例え、言い方や礼儀がなっていなかったとしても、そいつの行動一つ一つで見える真実はことごとく違う。



(、、は?)



「本当にその財布、、貴方のもので、偽物でも何物でもないんですね。」


「大丈夫ですか?」





相手を不安にさせる一言、それが盗品だと自分で一番分かっている時、人は動揺を隠せない。






(、、、は、、な、なんだよ。)





、、、、www

額に数滴の焦りの汗、目の動揺、息遣いの荒らさ、








俺は、そいつの耳元でそっと囁く。












「いい加減にしておけよ?」


「ド三流。」









(ッッ、、、!?)












〔魔警さん!あの人ですあの人、!〕


〔さっき私のカバンに入ってた財布を盗んだんです、!〕











おっと、いけない。

学園に行くのにこんなことに巻き込まれては少々面倒だ。


僕は、背負っていたリュックの紐を掴んで、そそくさとその場を後にした。










〖この財布ですね。はい、もう取られないようにしてくださいね〗


〔ありがとうございます、、〕




〖いえ、!〗







〖、、、〗


僕は、その少年の姿を目に捉えていた。

先程、奴を蹴り飛ばした時にヤツの目の前に現れた少年だ。

魔法で何かしたわけでもない、、ただの、、偶然か、、、?



〖あの少年、、一体何者なんだ?〗








































僕は、教室のドアを開けた。

えっと、ここのクラスであってるだろうか?


(おーい、遅かったね!)


[そうそう!!大丈夫!?]



教室に入った瞬間、そんな沢山の声が一斉に聞こえ、どんな反応をしていいのか困った。



「、、え?」


(もう君以外全員揃ってるよ!)


「、、、」








そんな会話と共に、教卓に先生らしき人がいた。

へぇ、、

魔力と洞察力、、共に上位の魔法使いらしい。





〘 遅刻だ遅刻!!!〙


「すいません」


「道端で困っていたお婆さんを助けてました」


〘 はぁ!?とりあえず早く席につけ〜!〙



まぁ、お婆さんを助けていたのはあながち間違ってないのかもしれない。

えっと、今は何限目だ?






〘 ンン!〙


〘 改めて、このクラスの担任の「亜尾」だ!〙


〘 みんなよろしく!〙





「「「「よろしくお願いしまーす!!!」」」」







〘 うむ!よろしい!〙




〘 では早速!〙






「「「「????」」」」






〘 瞬間魔法の授業をする!!〙


〘 みんな裏庭に来るように!!!〙



「「「「えぇ〜!!!」」」」



〘 えぇ、じゃない!〙


〘 早く行け〜!!!〙






僕たちは、裏庭に移動した。









「はぁ、、はぁ、、」


「なんで走るん、、だよ、、」






ゆっくり歩いていけばいいのに、クラスメイトは一人として歩くことなく全力で走っている。

その時、皆の目は輝きが失われては居なかった。、、、、まぁ、魔法学園なのだから当然か、




[大丈夫?少し休む?]



速度が皆よりも送れていると悟り、話しかけてくれた女の子。

同じ学年と言っても年齢は別々だと思っていたが、、同じなのか。



僕は、少しスピードを緩めて、彼女の目を覗き込む。





「ありがとう。でも大丈夫さ。」


「先を行こう。」





[そう?なら良かった!]


[私は「愛菜」!]


[君は?]



「凪。」



[凪!!よろしくね!]





そんな言葉を笑顔で嘘偽りなく言う愛菜に、俺は目線を前に戻した。





「ここから先、皆道が分からないって。」


[えっ!?]


「僕もここから分からないから、案内してくれると助かる。」


[うん!じゃあちょっと先行くね!]


[凪も無理しないで着いてきてね!]


「ああ。」



簡単な挨拶だったが、久しぶりに同い年の子と会話をしたと、今気がついた。

そして、後ろから足音が一人、、

早い。


生徒じゃないな。

先生か?





その足音が少々気になったため、疲れたフリをしてその場に留まり肩で息をした。


いや、ほんとちょっとだけ疲れた。


まじちょっと待ってくれよ、、







〖おい!!君!〗


〖大丈夫かい!?〗




僕の肩を叩き、こちらを覗き込んでくるように声をかけてきた。



僕は、目線を地面からその人の目に変えた。








〖、、!〗


この少年は、、、




目の前で息を切らしていたのは先程の少年だった。

どうやら、僕が教師をしている魔法学園の新入生だったようだ。

今、裏庭に出る授業をするクラスは、、一年春組、、

亜尾先生のクラスか、、!



「、、、?」


「何処かで会いました?」





少年は不思議そうに僕に問いかけてくる、



〖いやいや!全然!悪いね〗



「、、、あぁ、僕なら大丈夫ですので、、」


「あの、貴方は?」



〖ああ、僕か!〗


〖僕は六年担任をしている「羅々」、君は亜尾先生のクラスだよね?〗


「はい。凪です。」


〖凪か、少し休んでくかい?〗


「いえ、置いてかれても困るんで」


〖そうか、だったら僕も共に行こう!〗


「、、、先に行って構いませんよ?」


〖そんな訳にも行かん!!早く行くぞ、!〗




「ああ、もう少しゆっくり、、、!」







最初の言葉は驚きと警戒、、

僕とどこかであったことがあるのか?


まぁ、僕の記憶にないということは、少なくとも全て面識しているということは無いだろう。


それに、唯一の魔法学園に信用の置けない教師を送り込むわけもないし、あまり警戒はしなくていいだろう。

向こうも、僕と話していくうちに冷静さが戻っていた、、











「てか、、、」



「遠すぎだろ!!」


































〘 遅い!〙


「はぁ、、はぁ、、、あぁ、」


〘 もっと頑張れ〜〙


〘 って、羅々先生!〙


〖やぁ、亜尾先生、〗


〘 皆〜、六年担任をしている羅々先生だ。分からないことがあったら羅々先生にも聞くといい!〙


「「「「はーい!」」」」



〘 じゃあ早速やってみようか!!〙






〘 今からやるのは瞬間魔法の擬似だ、瞬間魔法の一つでも一年生の君達には少し難しいから、段階を踏んで行う!〙


〘 ただ、難しいからよく話を聞いとけよー〙


〘 まず初めに、、、〙





そう言って、担任は淡々と話を始めた。

瞬間魔法を最初からやるのだと思っていたが、段階を踏むのか、、、



〘 よし!じゃあやってみろ!〙








「「「「はーい!」」」」







そして、魔法を展開するために個々がそれぞれの形をとる。


だが、中々出来てない、、でもその中でも出来ているのは先程の愛菜という女の子。

瞬間魔法のランクは上から5番目であり、難易度は差程高くない、、



〖おい、やらないのか?〗




「やらないのではなくて出来ないんですよ。」


〖出来ないからこの授業があるんだろう?〗






わぁー、、、、とてもめんどくさい。

でもそれが教師ってものか、






「僕には、魔力が少量程度しかありませんので。」


〖、、、!?〗





その途端に、僕は魔力を隠すのを辞めた。

流石教師、人の魔力量は隠さない限りは感じ取れるのか、、


「まぁ、瞬間魔法の擬似くらいならわんちゃん出来るんですけど、魔力を使い切った後が怖いので」


〖、、、じゃあ!〗



「、、、?」





そんな意味深のことを言ってから、羅々先生は僕の足元に魔法陣を展開する。

これは、なんの魔法陣だ?


〖これは魔力供給だ!〗


「、、、魔力供給?」



聞いた事のない名前だった。

魔力の上限が増えて、それと同時に魔力量が、、


「、、すご、」


〖それと同時に、僕と近くにいないといけないってところが難点だが、、〗


〖授業はともかく、何か必要であればいつでもやるからな!〗


〖いつでも言ってくれよ〗


「、、、」




僕は、自分の手を見つめて何度か握ってみた。

うわぁ〜、、嫌な感じだ。




「ありがとうございます。」




〘 じゃあ今日の授業はここまで!〙



〘 明日は座学だけだから準備しとけよ〜〙








そう言って、亜尾先生と羅々先生は瞬間魔法で学園に戻って行った。

僕も、学園に戻るとしよう。

ゆっくり歩けば深夜になるだろう。






(愛菜〜、、どうやるのー??)



[みんなでやってみよー!]






そう言いながら、皆が先程教わった瞬間擬似魔法の練習を始めた。

だが、そうそう簡単には出来ない。

魔法陣を生成してもすぐに壊れてしまう。

愛菜は、教えるのに困っていた。

その光景をじっと横目で見ていた僕だが、そんな僕に近づいてくる影があった。


(君は魔法練習しないの?)



この子は、確か名簿に載っていたが、、

ああ、そうだ。


名前は「りゅー」


この学年は確か全員一人っ子だった。

そして、この子は相当の財閥だったかな。






「したいけど出来ないんだ。」


(魔法、、苦手?)


「苦手だよ。とてもね。」


(そうなんだ、俺も苦手、、)


(魔法なんか成功したことないけど、、でもさ!いつか立派な魔法使いになって家族に恩返しがしたいんだ!)


「、、いいね。」


(一緒に練習しよ?)


(えっと、、名前は、、)


「凪。」


(凪か!よろしく!)


「ああ、よろしく。りゅー。」










(大丈夫!!!できなくてもみんなでやってみよう!)




「「「うん!」」」









































〘 お疲れ様、羅々先生。〙


〖お疲れ様。皆凄いね。〗


〘 ええ、今年は皆元気があるから、、〙


〖亜尾先生、、一人、気になる子が居るんだけど、、〗


〘 、、、ええ、僕も気になってました。〙













〖あの、凪っていう生徒、、〗


〘 、、ええ、ずっと、一人でしたね。〙




〖それに、魔力が無いのも妙だ。〗


〖もしかしたら、魔人族の仲間かもしれない。〗



〘 、、、落ち着いてるよね、一年なのに〙


〖でも、怪しい気配はしないんだよなぁ、、〗



〘 まぁ、魔法学園の生徒で僕は担任だから〙


〘 信じてみる。信じないと変わらないからね〙


〖ああ、、それがいいな。〗



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る