第1話シナリオ
第2話
理紗はその日、終電で帰っていた。その日は企画のコンペがあって、徹夜してギリギリ仕上げた企画書を持って行ったものの競合他社に惨敗、ぼろ負けして帰っていたのだった。何のために仕事してるんだっけ、へこんでいる理紗は涙で視界を歪ませながら帰路につく。電車を降り、階段を降りていると急に立ちくらみが発生した。終日無理をして仕事をしていたことが祟ったのだった。そして足を滑らせ階段から落ちていった。
目を覚ますと真っ白い天井が見えた。どうやらここは病院のようだった。階段から落ちたことを覚えていた理紗はやってしまった、と慌てて起き上がった。すると見慣れないものが視界を横切った。それは羽の生えた小さい人だった。理紗はぎょっとしてあたりを見回すと窓があったのでそこから外を眺める。広がっていたのは異世界だった。突然の異世界転生に、理紗は己が特殊能力に目覚めたのではないか、はたまた巷で有名な悪役令嬢なのではないかと期待しながら記憶を整理する。徐々に記憶が蘇り、窓から見える街の中心にある大きな城がこの国の王が住むところ、そしてその周りを囲うように都市があり、自分は都市の中でも栄えている王都中央シティに勤めるリザ25歳OLであることを思いだした。
この世界には、魔族、妖精族、獣人族、人族、と多くの人種がいるのに自分はその中でも一番普通な人族、そして、人族の中でもさらに普通な会社勤めであることに若干の悲しみを覚えていると、会社の上司が見舞いにきてくれたのだった。
上司曰く、自分は会社の階段から落ちて病院に運ばれたらしい。頭を打ったが特におかしいこともなく、1日安静にしたら問題ないということだった。念のため入院していくか聞かれるが、次の日は仕事であったため断って帰宅することにする。上司からは明日職場に来たらいい話があるから楽しみにしていてね、と言われるのだった。
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