童心もどり

@wanwanwan123

第1話 森の中

遠い森の中に、色とりどりの羽を持つインコの「ピカ」と、長い体を持つ優しい蛇の「スライ」がおりました。ピカはいつも元気いっぱいに空を飛び回り、スライは地面を静かに滑りながら、木陰で休むのが好きな静かな蛇でした。


ある日のこと、ピカが空を飛んでいると、突然、風が強く吹き始め、木の枝から落ちてしまいました。地面に落ちたピカは羽が痛くて動けません。怖がって泣いていると、すぐ近くにスライが現れました。


「大丈夫か?」スライが優しく声をかけます。ピカは驚きました。普段、蛇とインコはあまり交流しないからです。


「痛い…でも、動けない…」ピカは涙を流しながら答えました。


スライはピカの周りをぐるりと回り、じっと考えました。「君を助ける方法を考えよう」と言って、スライは自分の体を使ってピカをそっと包み込みました。スライの柔らかい体が、ピカを傷つけないように守ってくれました。


「ありがとう、スライ。どうして僕にこんなに優しくしてくれるの?」ピカは不思議に思いました。


スライはにっこりと微笑みました。「私は怖い蛇だと思われがちだけど、心は優しいんだ。君が困っているとき、助けたいと思っただけさ。」


その後、スライはピカを自分の巣に連れて帰り、羽が治るまでずっと一緒に過ごしました。ピカも、スライと一緒に過ごすうちに、蛇の優しさに気づきました。怖がっていた自分を反省し、スライをもっと信じることができるようになりました。


やがて、ピカの羽は元気を取り戻し、再び空を飛べるようになりました。けれど、彼はもう一人で空を飛ぶことはありませんでした。スライも一緒に飛ぶようにお願いすると、ピカは大きな声で答えました。


「もちろん、スライ!君と一緒なら、どんな空も怖くない!」


それからというもの、ピカとスライは毎日一緒に空を飛び、森を駆け回りました。二匹の友情は、森の中でも有名になり、他の動物たちもその絆に感動して、互いに助け合うようになったのでした。





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