中国の兵法 生きているという実感 V.1.1

@MasatoHiraguri

第1話 現代の万里の長城

  「兵法」といって、相手を攻撃するということばかりではない。相手を懐柔する・取り込む・味方にすることも重要な戦い方です。


中国という国は、はじめの頃は、中国に攻め入ってくる夷狄(周辺諸国・民族)との戦いで、敵の陣地・領土へ攻め込みもし、一方で万里の長城なんていう防護壁で守りもしていました。現在、中国が行っている一帯一路と、(時間限定の)ビザ無し滞在という外交政策とは、まさにそれの現代版と言えるでしょう。

中国の先鋭部隊が周辺諸国(といわず世界)へ打って出る一方、敵(諸外国)を「現代版万里の長城」で食い止める、すなわち「水際撃退作戦」を展開している、という中国の兵法(の一部)に他ならないのです。

トップの習近平氏や外務大臣の○○氏は、席を温める暇もないほど、世界中を駆け巡っています。行けば行っただけ、各国の首脳と会えばあったほどに成果を上げてくる。

(かたや、かつての「朝鮮使節」というただの物見遊山ご一行と同じで、目的もなければ米一粒の成果も無い、バカ殿様一行という現代日本の大名行列とは違います。)

中国の「守り」とは、万里の長城ならぬ、民間人の壁です。

中国全土を守るため、北京・上海といった全国数十の主要都市には、気鋭の語学堪能者やガイド、(少なくとも)英語の堪能な優秀(中国や台湾の警察官は採用された時点・大学卒業時に英語を話す)な警察官の他、有能各種な役人や民間企業の職員たち数十万人が「守りを固めて」います。

彼らが、トランジットビザで1週間程度滞在する外国人たちを「水際で食い止める(懇切丁寧におもてなしする)」のです。

現代の攻め・守り共に「戦い・排除」ではなく「友好・親善」を目的としていることは当然ですが、特に、守りながら攻める部分(一時滞在の外国人に、短い時間で如何に盛りだくさんの体験をしてもらい、中国のファンになってもらうか。「敵」を中国の色に染める兵法)とは、いわゆる官民一体による外交の域に達している。まさに長い歴史を持つ、中国らしさ溢れる、幅と奥行きのある官民一体のテクニックとといえるでしょう。

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