声を聞きたくて

輝人

ある日の出来事【空想ストーリー】



夜も更け、ベッドに横たわりながらスマホをいじっていると、突然LINEの通知音が響いた。送り主を見ると、「華乃」だった。少し驚きながらも画面をタップしてトーク画面を開く。


「今、いいかな?急にごめんね。」


何だろう。普段から話すことは多いけど、どこかよそよそしい雰囲気を感じた。

「もちろん、大丈夫だよ」と返信すると、数秒でまた通知が来る。



「ちょっと恥ずかしいんだけど…でもずっと言おうか悩んでて。」


一気に心臓が高鳴る。普段の彼女からは想像もつかない、真剣なトーン。これ以上はLINEじゃなくて電話にしたほうがいいのかな、と思いながらも、彼女の言葉を待つことにした。


数分間、既読がつかない時間が続き、やがて再びメッセージが届く。



「実は…結構前からずっと深堀くん(俺の名前)のことが好きだったの。」


思わずスマホを握る手が止まる。目を疑い、もう一度メッセージを読み返す。そこには、照れ隠しなのか、続けて送られた短い文も添えられていた。


「ずっと伝えたかったんだけど、タイミングがなくて…。それに、もし迷惑だったら嫌だなって思って…ごめんね、急に。」



心臓の鼓動がうるさいくらいに響いてくる。俺は何度も画面を見つめ、彼女の言葉を噛みしめた。正直、俺もずっと彼女のことが気になっていた。でも、こんな形で想いを伝えられるなんて、夢にも思わなかった。


しばらく迷った末、俺は震える手で返信を打つ。


「華乃…ありがとう。正直、俺もずっと同じ気持ちだった。これからもっといろいろ話したいし、一緒にいたい。」


メッセージを送った瞬間、スマホを胸に押し付けて深呼吸をする。するとすぐに彼女から返事が届く。


「ほんと…?なんか信じられない。でもすごく嬉しい。」


画面越しからでも、彼女が恥ずかしそうに微笑む顔が想像できた。今まで普通だと思っていた日常が、この瞬間から少しだけ特別なものに変わった気がした。


この夜は、きっと一生忘れられない。

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声を聞きたくて 輝人 @nog1_love

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