第12話

「この村だけは助けてくれないか」

「よく言うよ私が助けを求めても辞めなかった一人のくせに」

いつもいつも絶対にいた。ニヤニヤと笑いながら。

「助けろなんて思ってないよね村長。いや、村長代理ジャラ」

実の父親まで手にかけた男。半分は私のせい。

傷なんて見られたから。まぁそれだけで殺してはないかな。

「お前ばかり可愛がられ俺には厳しい。羨ましかったから」

あぁやっぱり。いつまでも後悔しないとダメなのか。

「もう見るな、聞くなレイ」

大きな手に両目を塞がれている

「よく頑張りましたりさぁ帰りましょう」

すーと涙が溢れていくのがわかる。ふきたいがまだ目の前は真っ黒のまま。そんな私を姫抱きにして

「2度目はない。覚えておけ」

「納得いかないですがね。余計なことをするとレイがもっと苦しむことになる。お前はここで苦しんでくださいね」

「うわー」

男の叫び声などお構いなしに去っていく。

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