第3話 始動する非日常
こうして俺は、死神見習いの監視対象兼お手伝いという謎の立場に放り込まれた。翌日から綾は堂々と学校に転入してくるわ、下校時には常に尾行してくるわ、アルバイト先のファミレスまで押しかけてくるわで周囲の誤解が炸裂した。
「悠人くん、最近メイド喫茶で働いてたの?」と女子クラスメイトに聞かれた時は死にたくなった。(綾のコスチュームがそう見えたらしい)
厄介なのは彼女の《死神ツール》と呼ばれるアイテム群だ。時間を5分だけ巻き戻す懐中時計、他人を10分間ネコ化する鈴、透明になれるマント...どれもこれも使いどころを間違えると大惨事になる代物ばかり。
「ねえ悠人くん、この《感情抽出メガネ》かけてみない?」と無邪気に差し出された翌日、担任教師が突然全校生徒の前でラップを披露する事件が発生したのは言うまでもない。
しかしそんな騒動の中、少しずつ気づき始めた。綾が無理に笑顔を作るたびに、コートの袖から覗く腕に刻まれた数字が減っていくのを。死神管理局という組織から届く、冷たい内容のメッセージを。彼女の「試験に合格したい」という願いの奥にある、切実な何かを。
そして三日目の夜、全てが暴走する──
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