田邊組蓮華 side...

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嫌な事を聞いた。

楽しいかなんて、怪我だらけの彼女に。

父さんに聞いた。

彼女の両親や婚約者や、彼女自身の事を。

知らなかったとは言え、少し聞いただけで勝手に履き違えて彼女を傷つけるような事ばかり言った。

きちんと聞けば、可哀想な人だった。

私ばかりがひどい人生だと思ってた。

でも、私がもし、彼女だったなら…

私はそこまで出来たかな？

「…楽しいよ。とっても。」

今にも泣きそうなのに、彼女は何故か、必死に取り繕うみたいに儚い笑顔を見せる。

きっと楽しいより辛いの方が多かっただろう。

本心なのか、嘘なのか…

それはわからないけど。

死ねばいいと思ってたあの醜い気持ちは少し薄らいだ。

だって、今にも崩れそう。

死なんて、秒でできそうなの。

私のたった1人の姉さんは、消える0.1秒前って感じ。

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