蓑島さんは何でこっちを見るのかなぁぁ…!!!!
アレクサンドル
何気ない仕草を俺は感じきれなかった
俺、
「」
幼馴染の女子、
ジーーーーーーーっと見つめられること…!!!!!!
視線を感じないことなんてない。保育園、小学校、中学校、高校になった今!!!マジで見られている。例えば授業中の体育で男女被った時は当たり前として……休み時間の友達といる時、飯の時、放課後の部活に向かう時……、マジで見られ続ける訳。つまりストーカーに近いのか?常に体の一部が俺の視界の一部に入ってる訳……。
まぁ、容姿端麗で勉強もできて清楚でめっちゃ可愛いんだけどさ…。
「……………」
何でこんなに見られるのか?そもそものことの発端は……、3歳の頃。
保育園で遊んでいたトラックのミニカーを欲しそうに眺めていたから貸してあげた。
そこからだ。
「……………」
凄い見てくるようになったのは。
「……………」
何でこんなに見られるんだ?
「み、蓑島?なんか俺って変?」
「!!」
だから何度か聞こうとしたことあるんだよ?
でも……、
「あ、御手洗!!先生呼んでる!!」
「お…」
「……………」
こんな感じでちゃんと会話が成立したことがない……。
それで蓑島自身も心なしかホッとしてるような感じだしさ……。
聞かれたくないのだとしたら、2回とも神風が吹いてモンゴル帝国の侵攻を阻止したと言われる北条時宗並の強運の持ち主だよマジ……。
いやいやいやいやいやいや?
話したことはあるんだよ?
「御手洗……起きて」
「………ぐかっ!!!……お、おう……」
休み時間に授業の移動の為に起こされたり、
「御手洗……これ、お土産」
「あ、ありがと…」
家が近所だからお土産をお互いに渡し合ったりとか。
一応、話してる訳ね……。でも俺が自発的に話そうとすると蓑島は固まる。
「……………」
嫌われてる訳じゃないと思うんだけどな……。でも……、
蓑島からの場合は、
「御手洗」
「ん?」
んで俺の場合。
「蓑島」
「……………」
こうなる訳。
何でなのかな………。
そんなことを考えてるうちに時間が過ぎ去って行き……、
「御手洗」
「ん?」
高一の年末。
「……ごめん」
「え?」
ふと、夜に俺の家に訪れてきた蓑島が俺に謝ってきた。
「い、今まで御手洗のことを見過ぎていた」
あ、自覚はあった訳ね。
「……………こ、今年も終わるからもうこの際言っちゃおうと思って……」
蓑島は視線を背ける……。
「………え?」
「え」
俺は思わず驚いていた。
「蓑島も視線背けるんだな…」
「」
あ、やべ…。
「あ、いやいや!!その……そういう訳じゃ……」
「御手洗が見てくれたから」
「」
「御手洗が私自身を……ちゃんと見てくれたら………私は…」
「」
「私は"逃げる"よ…////////?」
「……………あ」
俺はその意味を遅れて理解した。
13年後。
「ねぇ、ママー」
「んー?」
「どうしてパパはいっつもママを見ているの?」
「えーー?何でだと思うー♡?」
「//////」
妻だ////
「パパが見てくれてるのは……逃がさない為♡」
チュッ。
そう薫は娘の額にキスをして俺を見つめてきた。
「うぐっ……!!!!」
俺は薫の目線を感じたら逃げる……。
「ふふっ♡」
"離れない"と"離さない"の条件が【見つめたら背ける】って………、
なんてズル賢い泥棒猫なんだよ……。
俺は寝室に戻ろうとし、薫はそれを娘を抱いて微笑みながら見続けていた。
こうして俺と薫は高一の12月31日から今日の12月31日までそんな関係でずっと一緒にいる訳だ……。
そして気づいた。
そういや、薫からの視線をずっと感じてたってことは俺も同じくらいの時間、その昔から薫を意識してたってことなんだわ//////
つまり……、
ゾッコンしてた可能性が高い訳…ね(笑)。
完
蓑島さんは何でこっちを見るのかなぁぁ…!!!! アレクサンドル @ovaore
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