第2話 アプリは怖いだけじゃない

彼氏と別れて私は、マッチングアプリに手を出した。

今の私は見るに堪えない太り方をしているため、昔の写真を使って顔出しなしで行うことにした。

すると何人もの男性から連絡がきた。

中には身体目当ての人や飲み友達募集のための人などたくさんの目的を持った人がいた。

ある日、私のスマホに一軒の通知が来た。

『想真さんからメッセージです。』

「誰だろう?」

とりあえず開くと、優しそうな顔立ちでプロフィール欄もしっかり書かれている人だった。マッチングアプリというものはプロフィールが全てであり、プロフィールがしっかり書かれていないと相手もこちらも信用しないためそもそもマッチングしない。それを踏まえて考えると、お話してみてもいいかな?と思えた。

『想真:初めまして。マッチングありがとうございます。』

『私:こちらこそ初めまして!いいねしてくださってありがとうございます。お話できたら嬉しいです。』

そんなすぐに返事は来ないだろうな~と思い、紅茶オレを飲んでいるとまたも通知が来た。

『想真:よろしくお願いします。趣味は何ですか?』

待つこと30分程度だった。趣味はと聞かれると特にない私は、適当な返事をして、逆に相手の趣味を聞いていくことにした私は、相手のプロフィールを読んだ。

「ふむ、って私の守備範囲外やないかーい!」

思わず声に漏れてしまった私の感情が相手にも伝わっていたようで追ってメッセージが来た。

『想真:お写真のお料理は自分で作っているんですか?』

そうそう、こういう話題よ。こういう話題なら私もついていける。

『私:そうです!全部手作りしています!』

会話終了。と思い、もう一度相手のプロフィールを見ると、私の好きなアニメの展示会に行っていることが発覚した。これは聞くしかないと思い、私は思い切って質問した。

『私:想真さんのこの写真って○○ですよね?私も大好きなんです!』

するとすぐに返事が返ってきた。

『想真:はい!京都で行われていたので行ってきました!』

『私:どのキャラクターが好きですか?私は眼鏡の子です!』

『想真:僕はツンデレの子ですね。』

止まらないアニメの会話に私は久しぶりに楽しい気持ちになった。

なんだ、マッチングアプリでもちゃんと会話できる人と巡り合えるじゃん。

私は無意識にほっとしていた。

この人、いいかも。

そう思うのに時間はかからなかった。

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