天使が命じた10のこと
江野ふう@ヨムはカクヨムコン参加作品優先
命令1〜3. 小学生時代
「えーたは、私に絶対服従!誓いなさい!!!」
下校時、上級生のランドセル5個を持たされて泣きながらよたよた歩いている詠太を助けてくれたのが、天音である。
荷物を半分持ってくれた上に、一緒についてきてランドセルを渡してくれた。
「弱いものイジメなんか二度とすんじゃねーよ!!!」
さらに、上級生をシバいて追い払ってくれたのだ。
その時の詠太は、天音を命の恩人!
自分を救ってくれる女神さま!
マジ天使!!!
……と思ったので、絶対服従――しかも、無期限、という、まったくわりに合わない誓いを立ててしまったのである。
「えーた!一緒に帰ろう?」
「えー、ヤだよ!!!なんで女のお前と帰らなきゃなんねーんだよ!?」
「え?だって、えーたは私に絶対服従を誓ったじゃん!」
小学五年生になり、クラスも違う。
放課後になると、C組の天音はA組の詠太にところにやって来る。
「えーたはかわいい彼女とイチャイチャできていいよなー」
「教室でエロいことすんなよ〜」
詠太も思春期。
同級生から
「荷物持って?私の家まで運んでよね!」
詠太は嫌だというのだが、天音は気にせず命令し、荷物を渡してきて
「帰るわよ!」
と言うのだ。
「私、塾に通うことになったから、えーたも一緒に通いなさい!」
と言われたのは秋である。
「塾?ヤだよ!あと、金出すの親だし」
「それは、すでに慶子さんから快諾いただいております!」
慶子とは詠太の母親である。
すでに外堀は埋められていた。
「詠太、頭いいから!目標は
こうして、詠太は年明けから塾に通い、中学受験をするはめになった。
神野天音の命令である。
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