止まりなさい!
遠山ゆりえ
第1話
命令するのもされるのも苦手である。
時代なのか地域性なのか、小学校生活では命令口調が多かった。
「起立、礼、着席」で授業は始まった。朝礼の時は、「気を付け、前へならえ、休め」の号令が響いた。「小さく前へならえ」なんていうのもあった。
運動会の練習では、まるで軍隊のようだった。「右向け右!回れ右!前へ進め!全体止まれ!いち、に、さん!」といった行進の練習が続いた。低学年だった私は、右と左が咄嗟にわからず、文字通り右往左往していた。
中学校の試験問題も命令口調だった。「Xが5である時Yの値を求めよ」とか「この時の主人公の気持ちを20文字以内で説明せよ」とか…
高校の体育会系の部活動は先輩の命令で動き回っていた。「1年生、校庭あと3周!」とか、「声が出てないよ~!」などなど
大人になり子供が生まれると、家族に命令口調になりがちである。「お父さん、ついでにゴミ出しといて!」とか「早く起きなさい!学校に遅れるでしょ!」などは定番である。
ほんとに命令は苦手だ。
「そこの白い軽自動車、止まりなさい!」
しまった!この道は一方通行だった!
止まりなさい! 遠山ゆりえ @liliana401
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