第34話

翌週。

月曜4限。


授業が終わり、空手部の時間まで、あたしは食堂地下にあるベーカリーで過ごしていた。


最近、ばっしーは空手部を休むことが増え、今日も休み。


あたしとヘキサでいると、佐原くんが声かけてきた。


「あれっ?君、ともやとよく一緒にいる人だよな」


「うん。あれ、ゆかりんも一緒」


あたし、佐原くんと一緒にゆかりんもいる事に気づいた。


「ルカちゃん、私と高校が一緒なの。あ、カレカノとかじゃないよ。たまたま同じ学校なだけ」


と、ゆかりん。


「今、空き時間?」


と、佐原くん。


「空きってゆーか、部活の時間まで待ってるんだ」


「おっ、オレも部活まちだぜ」


「私は5限あるから、この時間は空き」


ゆかりんは授業あるみたい。


佐原くんはサッカー部。ともやくんとはドイツ語のとき仲良くなったらしい。


この佐原くんがのちのあたしに大きく関わってくるとは、このときは思いもしなかった。



この日の空手部。


ばっしーだけでなく、田中くん、戸部先輩も休みだった。


芦原学園高校と違い、部活欠席にもゆるゆるな板倉学園大学。


数週間連続で休んでも、吉岡先輩も先生も怒らない。


そのゆるゆるさが、ばっしーとあたしを決断させる。

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