数日後の昼休み。

あたしはばっしー、しずくちゃん、ともやくんと一緒に、ヘキサを囲んで廊下でしゃべっていた。

そのときだった。

「誰だ！カメを校内に持ち込んだのは！」

振り返れば、担任・吉田さんだった！

「やべー、逃げろ！」

ともやくんは立ち去ろうとした。

でも、あたしはバレてしまったなら、正直に話さないと…と思い、吉田さんに謝るしかないと思った。

「ごめんなさい。あたしがつれてきました。ヘキサは、あたしの友達です」

その後、あたしは吉田さんの研究室に呼び出された。

あたしはひたすらおじぎして、ヘキサとの出会いを話した。

すると、吉田さんから意外な返事が返ってきた。

「まぁ、様子みましょ。そのかわり、問題起こしたら責任とりなさい。うちの大学、盲導犬つれてる学生もいるしね、動物にはまぁあまいからな」

「ありがとうございます」

あたしは深くおじぎした。

このときはまだ、気づいてなかったけど、必要とされることの喜びをヘキサはあたしに教えてくれたのかも知れない。

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