第4話 視点:俺

少し、あのあとの話をしよう。

俺と彼女は、あの日以来、一言も話していない。

たった一度、ある少女と話をした。

それだけで、生活が大きく変わることもなかった。

でも、彼女が最後に伝えてくれた言葉は俺の心の一番深いところまで響いていて、俺は前よりも、自然に笑えるようになった。



あの日。特別なことなんてなかった日。

きっと俺は、彼女の声も、顔も、何もかも、いつかは忘れてしまうと思う。

日常のすべてを覚えておくことなんて、どう頑張っても不可能だから。

でも、彼女が伝えてくれた言葉と、その瞳に映った星灯は、鮮明に覚え続けるのだろう。

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セカイside彼 白波桜 @ShiranamiSakura77

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