4話 特級、会話、共に過ごす。

特級、会話、共に過ごす。


アリア視点多めです。てかほぼほぼアリア視点です。

____________________________________


男の人たちと別れたシヲは、人の気配が沢山ある方に、つまり街なのだが、向かっていた。その途中、いろいろな魔獣と出会ったが、魔獣は本能でシヲに勝てないと悟っているのか、シヲを見るなり逃げ出して行った。


「あ、見えた。」


『ほんとだねぇ。』


しばらく進んでいると、街らしき物が見えてきた。そこに向かい、門らしき場所に向かって行った。


____________________________________

???・アリア


「嘘でしょぉ〜?」


教皇から依頼を貰って数時間後。街の南門の方向から途轍もない死の気配がしていた。一般人にはわからないだろうが多少なりとも戦いに関することをしていれば気付くであろう気配だ。現に今アリアがいる探索者補助ギルドにいる人たちは全員顔を顰めている。


「おいおいおい、冗談じゃねぇぜこれは……」


アリアのいる街であるウィブルス街のギルドの支部長が出てきて、顔を顰めている。


「支部長、今回は私がでるわぁ〜。」


「お嬢…そりゃありがたいが、大丈夫なのか?」


「死ぬ気でやればどうにかなるでしょぉ〜」


人類の中でも最強格であるアリアがそう言った事で周りの探索者達の気が引きしまる。その様子を片目に、アリアはギルドを出て南門へ急ぎながら向かう。


(これぇ、かなりやばいんじゃなぃ〜?)


アリアは特級探索者だ。自分でも強いと自負している。しかしその自分も勝てるかどうかわからないぐらい強そうな相手と来た。依頼が来た時間からしておそらく精霊だろうと予測しながら南門に着くと、門兵達が白い髪をした女の子に槍を向けていた。


「貴方達〜、やめなさぁ〜い。」


兵士達に言葉をかけると、驚いた顔をしながりこちらを向き、驚いた顔をしたがすぐに直り、槍を下ろして自分の後ろに下がって行った。青い顔をしながらよく頑張ったものだ、と考えながら、目の前の存在に語りかけた。


「初めましてぇ〜。小さい精霊さん?この街に何か用かしら?」


「用という用は、ない。」


「ない〜?ならなんでそんなこわ〜い気配を出しているのぉ〜?」


「……あ」


精霊がそう言うと盲点だったと言うような顔をして、次第に気配が治って行った。


「これで、いい?」


「えぇ〜、普段なら良いんだけどぉ〜、貴方、精霊よね?」


直球に尋ねてみる。兵士達が驚いているのが見えた。精霊という事ではなく、直球に尋ねた事について驚いているのだろう。相手は精霊、おそらく高位の精霊だ。選択一つで国が滅ぶ可能性すらあるから当然だ。


「そう。」


「私、貴方を討伐するか人に対して害があるか見極めなきゃいけないんだけど〜、ぶっちゃけ、貴方と戦いたくないのねぇ〜?」


「なんで?」


「勝てるとは思うけど〜、大怪我負う事になると思うしぃ〜。」


「なるほど。」


アリアを思考する。気配を抑えていなかったり、実質自分の方が強いと言っている様なアリアの言葉に納得している事から、この精霊は生まれたばかりだろうと考えた。そして、思い切った提案をする。


「だから〜、一週間だけ、私と過ごさない?」


「……え?あ、うん。いいよ。」


あっさりといいと言われた。驚いた時の表情が少し違和感に残ったが、とりあえずアリアは安堵した。


「ありがとねぇ〜。兵士達、領主と支部長にこの事を伝えて来て〜。」


「「「はっっ!」」」


今この状況でアリアに逆らう馬鹿はいない。兵士達が伝令に行ったのを見て、アリアは尋ねた。


「それで〜、精霊ちゃん?なんて呼べばいい〜?」


「シヲ。」


「シヲ?シヲちゃんって呼べば良いのねぇ〜?」


『ワ……ナ…ヨ!』


アリアは何か聞こえた様な気がして、しばらく耳を澄ませたが何も聞こえなかったので気のせいかと片付けた。後に後悔することになる事も知らずに。


アリアはこの精霊と戦う事も想定して、切り札の魔法などを隠してこの子と生活しなければと、忙しくなりそうだと思い少しため息をつくのだった。


____________________________________


作者の甘茶です!面白かったらフォロー、⭐︎お願いします!作者は絶賛コロナですが元気です!少し短くなってすいません…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る