堕炎

恋愛観とは、実に人それぞれです。
スパッと割り切れる人もいれば、いつまでも引きずる人もいる。
燃え上がる炎は魅力的で、夏の虫のように魅入られ飛び込んでしまいたくなるものですが、そうやって身を焦がして灰になったとしても、人生は続いていきます。
焼け焦げた灰の中から再び炎を灯す人もいれば、灰のまま燻り朽ちていくのを待つだけの人もいます。
苦痛の許容量は違うし、そもそも人によって苦痛になり得るものも違います。
それらが不幸にもぶつかり合ってしまった時……こういう事故が起こってしまうのでしょう。
一つの燃え上がった恋が終わっても人生は残酷に「いつも通り」続いていきます。
この作品を読んで何を感じ取る…続きを読む

配偶者のある女性と付き合う主人公。
その付き合いの中で主人公が味合う後悔、幸福感等の複雑で目まぐるしく変わっていく感情たち。
それらの描写が巧みで、物語に引き込まれて行くような作品です。