学生トーク「骨編」

山田 武

学生トーク「骨編」



「──骨、についてどう思う?」


「……いつもなら普通に体の中身とかそういう感じでいいんだけど──出汁だな」


「へぇ、出汁…………出汁!?」


 うん、ボケた甲斐があるってものだ。

 驚いて立ち上がったコイツを周りは……特に気にしなかった。

 日頃の行いってヤツ……言ってて悲しい。


「いやほら、ラーメンとかの番組でそういうの観たことないか? こう、大きな鍋の中で煮込まれてるヤツ」


「……あるな」


「つまり、出汁だろう? 別に人骨って定義したわけじゃないんだし」


「……俺はその気だったから、滅茶苦茶驚いたよ」


 何だかんだ、唐突にお題を振られるのにも慣れてきたからな。

 たまにはこんな感じでカウンターを決めるのも悪くない。


「人骨で出汁取ったスープ、あったとしてもすぐに訴えられるんだろうな……」


「…………旨いのかな?」


「少なくとも、相当健康だったヤツの骨じゃないと灰汁しか出そうにないけどな」


 とち狂った質問には適当に返す。

 普通にホラー系の会話じゃねぇか、忌避感が半端じゃないよ、よくもまあそんな発想ができるなコイツ。


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