第7話
廊下から一歩中に入ると不気味な雰囲気がするのは、化学室特有な気がする。
あ、水槽の魚……減ってる。げえ。
今朝交わしたオハヨウと同じトーンで「また仲間食ったな」なんて言う小旗くんはちょっと信じらんない。その感覚にギョッとさせられるのは前々回の委員会で魚は共食いするって話し出した時もだった。
「ハムスターも共食いするんだよね?そういうのゾッとしちゃうな」
「人間も昔はしてたって話詳しくする?」
「やめて、ほんと絶対しないで」
「ふっ。桜川のこわがる顏、そそるね」
はあつらい。何その笑み。いつか、食べてあげよっか、とか言われそう。
言われたらわたしはなんて答えるかな。いやだよって言えるのか不安になってしまったから余計つらいな。
「餌やってんのにね。やっぱ水槽の中だとストレス溜まるのかな」
「……かねえ」
わたし的には他の日の委員の人のサボりを疑ってるんだけど、きみはちがうらしい。
どこかに閉じ込められた経験なんてないもん。そういう時に感じるストレスとやらを知らないから、そんな考えにならなかったよ。
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