異世界サッカー
蒼華 未来
第1話 初めの1歩
新たな世界で目を覚ました俺は、もう既に10歳であった。
記憶が混同しており、近くにいた女性に色々と聞いたところ、俺はシーガ・リドルというリドル公爵家の次男であることが判明した。
ちなみにこの女性は俺の専属メイドだった。
専属メイドとか萌えるなと言いたいところだがこの女性は50代である。
そんなことはさておき、色々と説明をしておこう。
まず、俺の兄はレイガ・リドルで、歳は12。
現在は王都の学校に通っているらしい。
貴族家の長男は、学校へ通う義務があるみたいだがそれ以外は任意だそうだ。
また、俺の親は王都にいるのでよく知らないが、父は法務省のトップをしているらしい。
おかげで今リドル公爵領にいる肉親はいない。
学校に行く必要もない。親もいない。
でも金はある。
であれば、好き勝手するしかないよね?
じゃあやろっか。「サッカー」
1度決めてからは早かった。
リドル公爵家を後ろ盾に俺を会長とするサッカー商会を設立。
公爵家執事に紹介された商会を買収して、サッカーボールを作らせた。
そして、公爵領内で発売したところ思いの外売れた。
今では、領内をあるけば小さい子供達がボールで遊んでいる光景を見かける程だ。
うんうん。良い傾向だ。
そこで更に調子に乗った俺は、公爵領にある公爵家の目の前の土地をかなりの広さで買い取った。これはとても高くついたが投資だと思い込みスルーさせて貰った。
何故そんな土地を買ったかって?
愚問だな。サッカー場を建てるんだよ!!
ドワーフなる建築に特化した種族がいることを知った俺は、また執事にお願いしてドワーフを紹介して貰いサッカー場の建築をお願いした。
気づけば、サッカー構想を思い立ってから早くも半年が経過した頃。
執事からある連絡が入った。
そう。アレが完成したのだ。
家の門を出るとそこにはとても美しいサッカー場が完成していた。
「いかがでしょうか?」
俺にそう問いたのは、今回のサッカー場建築の責任者をお願いしたドワーフのドムである。
「完璧だ」
たった一言。いや、この一言しか出ない程の美しさ。
サッカー場が出来たなら次にすることはあれしかないな。そう。育成だ!
完璧なサッカー場を見た俺が次に訪れたのは、領立学校。公爵領の識字率を鑑みて父が設立した学校で、領民の10歳から6年間通う事が出来る。
そして、ここには両親がいない子供もおりその子らは学校付属の寮に住んでいる。
「こんにちは寮母さん」
「あらシーガ様。何故こちらへ?」
本日の目的を話すとすぐに対応してくれた。
数刻したところで、寮に住む15、16歳の青年達30人がやってきた。
「今から君たちにはサッカーをして貰う!」
もちろんの如く彼らはサッカーをする事が出来る。娯楽の少ないこの世では、サッカーボールが出来たことで子供も遊び道具はボール一択しかないため領に住む子供ならそこそこサッカーは出来る。
「最初は、2人組になってペア同士でボールを蹴りあってくれ」
彼等の適正を見ていく。
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