⑨新たに思想された概念「お母さんはボクの召使い」(観測者:耳)

 お母さんはボクの召使い。

 毎日、ボクのためにご飯を作る。掃除をする。洗濯をする。お風呂を沸かす。布団を敷く。絵本を読む。それから、それから。

 お母さんはボクの召使い。

 ボクが「水」と言えば水を汲んできて、「タオル」と言えば、タオルを持ってきてボクの顔を丁寧にやさしく拭く。

 それから、それから。

「***(意味:繁殖行為)」と言ったら、お母さんは喜んで、近親相姦にも関わらず喜んで、繁殖行為をする。

「本当はこれが目当てなんじゃないのか! ボクと繁殖行為するのが目当てなんじゃないのか!?」

「そんなことありませんよぉ。だってお母さんは坊ちゃまのお母さんなんですものぉ」

 お母さんは常にボクを敬う。常にボクを尊重する。

「死んで!」

「はぁーい。死にます」

「嘘。死なないで」

「はい、死にません」

 だってお母さんはボクの召使いなんだもの。

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