綴る

佐藤 あさひ

第1話 出会った日

高校2年の6月30日二学期の学期末テスト前日

本来は目の前にノートがあるはずのだが

俺の前にはど田舎には似つかわしい夜景が広がっていた

俺が立っている場所は高さ100m以上ある橋で下には高速道路がある

ここから落ちたら間違いなく死ぬだろう。

ここは人通りもなく車が通ることはない

俺は橋の上に立っていた

一歩でも動けば死ぬだろう。

そんな場所ですることなどたった一つである。

俺は死ににきた

命より大事な人を泣かせてしまった。

何より俺が嫌いなことをしてしまった。

そんな人間に生きる価値などない。

俺はそんなことを思いながら一歩足を踏み出した


小学生の頃初めて人に告白をした。

しかも、一年の時だ。

自分でもマセガキだと思う。

相手は児童クラブで一緒だった子だ

その児童クラブでは学校に隣接されたところにあるので、時間になると学校のグラウンドで遊ぶ時間が設けられていた。

俺は友達に先に行っとくようにいって、当時好きだった女の子のロッカーに前日に書いておいた手紙を置いておいた。

その日はいつもより早く帰るのでその子が手紙を見るのは俺が帰った後だろうと思っていたが、その子は俺よりも早く迎えが来てしまい俺が書いたのがバレてしまった。

その子に言い寄られてしまったが恥ずかしさのあまり俺は友達のだと名前が書いてあるのにバレバレの嘘をつきビリビリに破いてしまった。

そのビリビリの手紙は俺が持ち帰り、その虚しさのあまり泣いてしまった。

結果そのことは中学になるまでいじられてしまった。


だが俺は5年間片思いをし続けたが6年になって別の子が好きになっていた。

その子の名前はまな

まなは美人で愛想も良く誰にでも関係なく接す男女で人気の子だった。

おれ以外にもまなが好きだった人はいただろう

だが誰もその子に告白はせず中学に上がった。


俺が通ってた小学校は人数が少なく小中一貫だったためまなとも学校が一緒だった。中学生になると何人かがスマホを持つようになり、俺とまなも持つようになってた。

俺は勇気を搾りまなとメールを交換した。

それからはほぼ毎日メールをした。

毎回告白しようか迷っていたが勇気が出ず

そのまま2年生になっていた。


美術の授業中予想もしなかったことが起こった。

絵の具を使ったのでパレットを洗っているとまなが隣に来た。

ドキドキしながら洗っているととんでもないことを口にした。

「あんた、うちが好きやと?」


俺は呆然とした。

話を聞くと友達がバラしたらしい。

俺はあまりの驚きでまともに話すことができなくたってしまい、その反応で相手の中で確定してしまった。

そのあとはとてつもなく気まずかったが、むしろチャンスだと考えた。しかし、やはり勇気が出ず告白ができずじまいになってしまった。


そのまま何もなく終わるかと思っていた3学期のこと

友達がまなに告白することを聞いた。

俺は焦った。

もし、その告白が成功してしまったらと考え、自分の中である決心が生まれた。

次の日まなを話があると呼び出し帰り道の途中で告白をした。

返事は待って欲しいと言われ約一週間がたった。

返事はノーだった。

友達が選ばれたのかと思ったがその友達も断られ

俺たちの中では熱い友情が生まれた。


3学期になりすぐのこと。俺はとんでもない光景を見てしまった。

廊下でまなが同じ部活の先輩に抱きつきにいっていた。

そのあと見ていたことがバレ、まなが説明しようとしていたが

俺は逃げてしまった。

そのまま、まなと距離を取ろうと思っていたが、諦めきれず毎日話しかけにいっていた。ついでに先輩との話も聞かされ死にそうになった。


三年になるとそれぞれ受験で忙しくなり恋愛どころではなくなっていた。


それぞれ勉強をし進路をきめ入試を受けみんな合格することができた。

奇跡なのかまなも同じ学校の同じ学科だった。


入学式を終えクラス発表が行われまなと一緒だったことがとてつもなく嬉しかった。


クラス発表がされたのでその教室にいると多くの人がいた。

その中に彼女はいた。

その時は、まだ何とも思ってはいなかった。


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