このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(99文字)
人間の平穏無事な生活こそ、幸せいっぱいです。僕も、同意見です。そんな生活は、心地よいし、健康的ですね。作品を通じて、のんびりとした風情が、よかったです。
家族と夕食を食べる仕事帰りにコンビニでコーヒーを買う普段の"当たり前"は実は凄く贅沢なことで、決して当たり前では無いんだよな、と麻痺していた既成事実に再び両手を合わせました。背筋がシャンとする、まるで優しい説法のようなお話でした。
偉そうな知識が披露されている訳では無いです。にも関わらず、不思議とこのエッセイに含蓄があるように思えるのは、作者さんの「自らの人生で得た教訓を伝えて、誰かの人生が少しでも良くなれば」という利他的な心根が見え隠れするからかも知れないなぁ……というのはレビューを書いた私の妄想ですが、読みやすいけれど軽々しさは無い文字列から人生と真正面から向き合う真摯さを感じ取りました。あらすじのかる〜〜〜い感じとは雰囲気が違います!
多くを望まなくとも。ぜひ読んでほしい一作です。