第2話「塔解」
白い髪の両脇に髪を結んでおり、頭にかわいい大きな耳、白いワンピース姿に複数本の綺麗な白い尻尾の女の子が目の前に立っていた。
「まさか、化け猫か、、!」
「し、しかもあの尻尾の数、かなり上位の存在、、!」
「ほぉ!お主ら、博識とは、殺すのが惜しいくらいだ」
「幻獣族め、女の子供の姿になって、今回はなんの用だ、」
女の子の姿になった獣人はニヤッと悪い顔をした。
「当然、この島を攻め落とす。そしてこの島を浮かしている魔結晶を奪い取る用さ、」
「なに?」
「そうはさせない、」
「諦めて帰っていただくよ」
「はぁ、、、、、やっぱりだめかの、、仕方ない、実力行使で私用を終わらせるか、」
呆れたように手で頭を押さえ、もう片方の手に複数の札を取り出した。
「我々も次の用があるのでね、ここで貴様を始末するよ」
第Ⅹ位階「エレメンタルフレイム」(詠唱省略)
「炎斬・八斬り」
火の元素魔術を操り、刀に火を宿し瞬時に八回攻撃をした。
「式札「罰当たりの八稲荷様」」
八枚のお札を取り出し、8体の式神を召喚して攻撃を全て防いだ。
「なっ!?」
「今のは、?」
「まさか、妖術か!?」
「ふん!、、、、」
獣人はニヤニヤと余裕の笑みを浮かべていた。
「こうなれば、」
「火・木魔術「ファンタジア・フレイムバタフライ」(散)」
「!?」
周辺の炎から蝶が複数現れ、それは次第に増え続いていた。
女の子も対処しようと攻撃をするが、一切当たらず次々と火傷を負っていた。
「!な、なんじゃ、これは⁉︎一切攻撃が当たらないぞ」
さっきまでの余裕はなくなり、防御に専念していた。
「この蝶は幻想、夢幻であり触れることはできない、しかしこちらからは一方的に攻撃を与えることができる。炎がある限りいくらでも増え続け、対象を焼き尽くすまで消えることはない、」
「なるほど、」
今の説明で全てを理解したのか防御を解き、新たに複数枚の形代を取り出した。
「?」
「面白い、いいわ」
複数枚の形代を周りに飛ばし、二つの魔法陣を展開した。
「黒白札「境界・死と命の均衡」Ⅱ」
黒いお札が女の子を囲み、さっきまで手も足も出せなかった炎の蝶が次々と黒い煙となって消滅していった。
ニ式・召喚「死神の鎌」
一枚のお札から黒いオーラに包まれた鎌を取り出した。
「なっ!、まさか、次元を超える魔術があるなんて、」
「しかも、あの鎌かなりやばいオーラを纏っているぞ!」
「触れるだけで即死だろうな、」
「隊長、」
その後も、魔術と剣技で幻獣と対峙していたが、死神の鎌には全ての魔術、属性は無効化され、歯が立たなかった、、、。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「なんじゃ、もう終いか、みっともないの」
「くっ、、、、なんなんだあの鎌は、、、」
「まさかあれは、死神の鎌、、、、、」
「どうした?」
「いや、どこかで見たことがあると思ったんだけど、思い出した、」
「なんだと、」
「それは一体、、?」
「即死の加護を持ち、随時鎌から溢れでてるオーラはありとあらゆる魔術・魔法を無に返す力を持つ、神器・アンダーワールドゲート」
「なるほど、どおりでこっちの攻撃が通らないわけか、」
「クックック、御名答!では改めて自己紹介を、私は幻獣族、死神使いのネルロッタ。」
「死神使いだと、、、」
なぜ、今自己紹介をしたんだ?
「そうか」
「隊長?」
「俺は、烈風隊火属第4隊隊長、日龍 雄介だ」
(ひりゅう ゆうすけ)
「、、、、、お、同じく烈風隊火属第4隊副隊長
宮月 藤間だ」
「ユウスケにトウマか、ハッハッ、気分がいいわ!今の、この魔力なら成功できるはず!」
一瞬の空間の圧に全員が嫌な予感を察した。
「まずい!」
「まさか、」
「全員、退避!」
ネルロッタの周りから強い魔力があふれ始め、周りの空気が静止したかのように音や風が消えた。
最悪な事態になろうとしていることはここの誰もが理解していた、なぜならこの魔力の揺れ、血の気が引けるほどの空気の重さを感じる場面を経験していたからだ。
『 塔解 』
「聖域・式札八百万の神々」
ネルロッタの周りに全てを浄化する光り輝く聖域を展開しその後ろに2体の龍が現れ、人型の札が円を囲むようにネルロッタの周りを飛び回っていた。
塔解。(塔力解放)
高い魔力を持ち、塔力に選ばれ力の解放に到達したもののみ、扱える固有魔術最強奥義。
確認されているだけでも、この世界で7人しか確認されていないほど希少な力であり、位階魔術では到底敵わない強大な力を操り、魔学では到底理解できない謎の奇跡をも操る。
この力の前にはどんな力も相殺され、相手に届くことはない、そう、同じ塔解の力以外は、、
「くっ!まさか本当に塔解を発動させるとは、、!」
圧倒的な力を前に、隊長たちは恐怖で体が動かなかった。
「これが、塔解、、、なんて魔力の圧だ、、」
しかも、これ、いままで感じたことがない圧だ、
「ハハハッこの程度で恐怖しているとは、この世界の最高組織と言えど、まだまだじゃな」
「こうなってはどうすることもできやしない」
「まさか、こんなことって、、」
「さて、とんだ邪魔が入ったが、予定通りこの地を闇溢れる地へとするわ、」
「顕現せよ、「聖杯の剣・ホーリィーグレイル」」
空から光り輝く黄金の光柱が現れ、ネルロッタの手に剣の形となって姿を現した。
この光景になんの攻撃も無駄と誰も感じていたが、1人の隊員が剣を構え、魔力を纏い始めた。
「ー限定解除。ー」
「貴様の思い通りには行かせない!」
「やめろ!今の状態じゃなにもできないぞ!」
剣に魔力を集中させながら、ネルロッタの元へ猛スピードで走り出した。
付与詠唱「ヘルブレイズ‼︎」
剣に黒い炎を纏わせ、切り掛かった。
かなりの魔力を纏わせたのか、当たったと同時に大爆発が起き、あたり一面黒い炎の海となった。
「なんだこの炎は!?」
「しかもこの魔力、見たことがないぞ、」
「まさか、ここまでできる奴だったとは」
「だが、、」
砂煙から人影が現れ、何事もなかったかのよつに歩いていた。
「塔解した妾に傷をつけるなんて、その魔術一体なんなんじゃ?」
「なっ、あれだけぶつけたのに、かすり傷一つだと!?」
「なるほど、これが貴様の全力かの?」
「くっ、」
「魔力!解放!」
限定解除したことにより、魔力が上がったが、限度がある為、魔力を底上げする為に禁忌である全、魔力解放を発動した。
「やめろ!これ以上は体がもたないぞ!」
「くそ、行きたくてもこの炎が、邪魔して動けない!」
獄炎「黒炎龍・火の鳥」
周りの黒炎から龍と火の鳥を召喚し、攻撃を仕掛けた。
龍は口からブレスで攻撃し、火の鳥は炎を操り火球、火槍、を作ってネルロッタに向けて振り落とした。
「真打・三日月切り(3連)!」
攻撃の手を休むことなく、炎を纏わせたまま瞬時に三回攻撃を繰り出した。
「あんな攻撃、無茶すぎる、」
「このままだと魔力に耐えきれず体が壊れてしまう、」
「俺が行こう、」
「隊長、しかしこの炎をどうするおつもりで」
「さっきから消そうとしていますが全く、びくともしないんですよ?」
「策はある、一か八かの、」
「隊長?」
二つの異なる魔力を発動し、身に纏い始めた。
「水と火の魔力を均等に混ぜ合わせ、周辺の火を打ち消し、炎の力を利用してスピードをあげる、」
火水魔術「ダイヤモンドアーマードサファイアシールド」
水と火を体に纏わせ炎の海の中、猛スピードで走っていった。
「はぁ、はぁ、はぁ、クソっ!体に、力が、入らない、」
「まずい!間に合わない、、!」
かなりのスピードをだしていたが、なぜか近くならず、遠ざかる一方だった。
「くそっ!なんか策はないのか、」
「あれ以上、強くなっては本当に対処しようがなくなる。」
「下等生物よ、これにて終いじゃ。」
天空に巨大な魔法陣が現れ、強大な魔力で周辺の空間の歪みが現れた。
「くそっ!」
「隊長‼︎」
「結界を貼れ!五だ!」
「了解!」
「間に合ってくれ!」
「「神に代わりこの地に天罰を下す。
邪悪なる魂よ、不浄なる地に眠る穢れし地霊よ、この時をもって無への浄土へと作り替えよう。雷光・閃光・常世の狭間・聖水浄土」」
次界「四重・五星結界」(夢幻)
5箇所に結界の強化のため魔力石を設置し、都市を囲むほどの強力な五星の結界を発動させた。
「ふふふっさようなら、夢幻の自然郷。残念だけど、この術の範囲はここだけじゃないのよ、」
「邪を洗い流し新たな生命の親の源、水。水気を滅しありとあらゆるものを消滅させる火。火を通さず、水で浄化されない黄金の金属、金。
全ての始まり、世界創造の始まり土。全ての元素よ一つに集まり、汚れたこの大地を作り変え賜え。」
水火金土札「天罰・神々の新天地再創造」(光)
空から何も見えなくなるぐらい輝き始め、全てを焼き尽くすレーザーが地上へと降り注いだ。
結界で持っているからか、そこまでの被害はなかったが、外はあまりの光に何も状況がわからなかった。
塔原島郷 ~魔法・魔術の幻想録~ 水霊氷Water ice @waterice
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