童話 魔法使い見習いフィアと空を飛ぶ魔法

仲仁へび(旧:離久)

童話 魔法使い見習いフィアと空を飛ぶ魔法



 小さな少女フィアは、魔法使い見習い。


 たくさん修行をして、お空を飛ぶという目標がありました。


 それは、昔にお空に行って帰ってこなくなってしまった、双子の妹と会うため。


 仲の良かった妹がいなくなってから、フィアは寂しい思いをしていましたから、お空にいる妹にどうしても会いたかったのです。




 それで、地元の中でも変わり者の、魔法使いのおばあさんの家を訪ね、弟子にしてもらいました。


 その魔法使いのおばあさんに、魔法を見てもらえるようになりましたけれど、見習いとしての修業はうまくいきません。


 火を出そうとしたら水を出してしまったり、


 光をつけようとしたら爆発が起きてしまったりします。


 フィアは自分には魔法使いの才能がないのかも、と落ち込みました。




 すると、魔法使いのおばあさんがフィアを励まします。


 頑張ればどんな事でも、うまくなれる。


 うまくなれなくても、別の事に生かす事ができる。


 どんな小さなことでも、がんばった事は無駄にならないのだと。


 励まされたフィアは、それからも一生懸命魔法の修業を頑張りました。





 やがてたくさんの修業を終えたフィアは、とうとうお空の姉に会いに行く魔法を身に着けます。


 伝説の七つの宝玉や、他の魔法使いの力を借りる方法、魔法陣の効率の良い書き方を発見しました。


 しかし、フィアはその魔法を使いませんでした。


 なぜなら、その魔法を使うと、お空じゃないところで生活している人とは、永遠に会えなくなるからです。


 フィアは、それがとても悲しかったので、お空に行くことはしませんでした。





 けれど、それで良いと思いながら、それからも過ごしています。


 だって、フィアはもう寂しくはないからです。


 魔法の修業の忙しさは、悲しみをほんの少し和らげてくれましたし、修行でかかわった人達が仲良くしてくれたからです。


 そんなフィアは、お空にいる人たちの様子を知る魔法を発明して、たくさんの人々の役に立つながら、すごい魔法使いとして人々の間で有名になっていきました。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

童話 魔法使い見習いフィアと空を飛ぶ魔法 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ