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さすがに17じゃなあ。二十歳ぐらいかと思ってた。大人びて見えるな。
まだ高校生じゃん。
お母さんが席を立ってがそごそ始める。
「貰い物なんだけど食べる?」
とシャインマスカットらしきを皿に盛って持ってきた。
「はい。いただきます!」
「かすみー、ぶどう食べるー。」お母さんが声を張る。
とことことことっと階段を降りる音。
あれ、反抗期じゃなかったのか。
お母さんを見る。
「ずる賢いのよ。」と耳打ちされた。
ソファの向こう側、橋本の隣にちょこっと座った。
やっぱり美人だ。それにもっと年上に見える。
17じゃなければなあ。
「高校は楽しい?」と聞いてみた。
「全然。」なるほど、塩対応だ。
「全然とか言わないの。」とお母さん。
橋本は笑ってる。
「おいしいですね。」と俺。
「意外といけるわね。」とお母さん。
かすみちゃんは、だまってもぐもぐしてる。
「かすみちゃんもてるでしょー。」と俺。
「全然」と俺も見ずに答える。
挨拶以外は、"全然"しかしゃべらないみたいだ。
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