ピローソリューション
マッスルアップだいすきマン
第1話 殺して解決
最近僕はピローソリューションを始めました。ピローソリューションとは何なのかと申しますと、ある音声を聞きながら瞑想状態で眠りに入ると、寝ている間に身近な問題や懸案事項、小さな悩みなどが解決するというものです。毎日上司にガミガミ言われていて精神的に参っていたので、精神科への通院と服薬に加え、お参りや厄除けなどスピリチュアルなものもいろいろと試しました。その中にピローソリューションがありました。
眠っている間に問題が解決する。そんな虫のいい話があるのかと、僕も最初は半信半疑でした。しかし、睡眠薬を飲んで寝る前にその音声を聴きながら寝ることを繰り返し、21回目が終わった朝、いつも通り憂鬱な気分で仕事に行きました。しかしいつまでも上司は出勤しませんでした。課長と部長が長時間打合せをしていましたが、内容はわかりませんでした。仕事は上司がおらず決裁ももらえないので、課長に話したらすんなり通してくれました。いつもはダメ出しの嵐でサービス残業だらけなのですが。おかげさまで今日は定時で帰ることができました。明日も定時で帰れるといいなあ。
今日もクタクタだ。上司からは無茶ぶりされ、部下は使えない。特に鈴木の野郎はいつもおどおどしていて見ているだけで腹が立つ。仕事も遅く、いつも早く持って来いって言っているのにダラダラやっている。いつまでも残業やっているから「お前の責任で遅くなった仕事なんだから残業代は出さん。」と言い放った。それでもダラダラ残っていやがる。コンプラがうるさいご時世、そんな使えないやつの管理もしなきゃならないのは腹が立つ。腹を立てながらいつものように酒を仰ぎ布団に入った。
深夜3時過ぎ、布団の中の違和感で目が覚めた。何か虫のようなものが布団の中を這っているようだ。しかし、それは布団の中ではなかった。皮膚の下だ。太ももの皮膚の中を何かが動き回っている。その「モノ」が太ももから鼠径部に入った時、激痛が走った。「うぎゃ!」腹をハサミで切り裂かれているようだ。とっさにパジャマをめくったら、ハサミの先がヘソの下から出ていた。なぜかその「モノ」は増殖し、大腸から小腸、胃などをやたらめったら切りつけられた。耐えきれぬ激痛、俺は布団の上でもがき苦しみ、意識を失った。
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